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    アメコミファン。
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NEW X-MEN #150
【2013/03/20 21:53】 アメコミ原書翻訳
PLANET X #5

「もう目は治った?」
煌々と燃え上がる太陽に巨大な火の鳥が舞い上がりました。
その炎の中心で"彼女"が聞きます。
「いや。何を見せたいんだ?」
肉塊状態のウルヴァリンが答えました。
「ジーニー?一体お前は何をしたんだ?俺達は炎に飲み込まれて…」
「ローガン…あなたはフェニックスを呼び起こしたのよ。
崩壊していくアステロイドの一部と太陽のエネルギーを使って乗り物を作ったわ。
分子レベルのテレキネティック制御で全て動く乗り物をね。
復活のために私は死ぬの、ローガン。でもどれぐらい留まれるのかは分からないわ。」
そう言うとジーンは自らが作り上げた金属の宇宙船を地球に向けました。

太平洋。
水平線が広がる何も無い海の真ん中に浮かぶ飛行機の
残骸の上にビーストとエマが座り込んでいました。
「…私の迅速な対応が無ければ今頃あなたは爆発で死んでいたわね、ヘンリー。」
「私は君がその話を3日も続けている事が信じられんよ、エマ。
私の迅速な対応が無ければ今頃君は衝撃で死んでいたからな!」
「何言ってんのよ!
そもそも、あなたの話を聞いてなかったら、こんな飛行機に乗らずに済んだのに…」
エマの悪態を聞きながら、ビーストが飛行機に爪で数式を書き続けます。
「何か嫌な事が起きたのだ、エマ…私には分かる。
全ての計算が合う…純度の高い調合、フォントゥの街…キックという麻薬…
人類の敵意、暴動…そして…そして…ああっ!!!」
ビーストが叫び声を上げます。
「もう爪がボロボロだ!
頭の中には様々なアイデアが浮かんでいるのに書くものが無い。
ペンが必要なんだ。」
そう呟くビーストにエマが言います。
「あなたに必要なのは水よ、ヘンリー。
私はこの輝かしいダイアモンドフォームになっていれば渇きとは無縁だけど、
あなたが発狂して呟く変な独り言とかを聞かされるのが恐いの。」
new_x-men_planet-x_5-1.jpgそう言いながらエマが
何かに気付いて空を見上げました。
「あら…やっと何かが来たみたい。」
「その台詞は前にも聞いたよ。
コンタクトレンズの染みか何かだろう!」
「何ですって。本当にいるわよ。
テレパシーを放出してるもの。
かなり強い力ね…おまけに相当の手練よ。
覚悟した方がいいわね。」
それを聞いてビーストがメガネをかけながら、
その何かを見つめました。
「ふむ…確かに何かが見える。
あと10分ぐらい待ってくれないかと
伝えてくれないかね。」
しかしその何かは一瞬にして
彼らの目の前まで飛んできました。
炎を纏った不死鳥のような金属の物体。
「身構えた方がいいのかな?
一体あれは何だ?」
「そうね、どうしようかしら、ヘンリー。
あれはあの忌々しいジーンみたいだから。
彼女が自分の力を見せ付けてるのよ。」

その頃、ワシントンD.C.では大統領達がテレビに映る
マグニートーの姿を眺めながら頭を抱えていました。
「マグニートーはマンハッタンを人質に取ったのです!
奴は我々の情報網を麻痺させ、その能力で地球の地軸をずらすと脅してきたのです!
あの憎悪に歪んだ顔を見て下さい。
ミュータントが我々にとって敵であるという証明が何か他に要るのでしょうか?
これこそが奴らが我々のウェポンプラス監視構想を破壊した理由です。
人類はこのまま黙って一夜を過ごすべきではない、大統領!
Y-23セラミック実験機を配備しましょう。」
「アメリカの大地に爆弾を投下しろというのか…」
「種族がその命を守るために戦うのです。中性子爆弾を使用します。
突然変異体などという既に死んだも同然の者達を殺すだけです。
我らが築いた建築物には影響を及ぼしません。さあ、ご命令を。」
やがて何機かの戦闘機がマンハッタンに向けて飛び立ちました。

そしてそのマンハッタン…今やニュージェノーシャと呼ぶその場所では。
「あなたは気が済むまで俺を怒鳴りつけますが、俺はあなたに真実を伝えるだけです。
今までと同じように、マグニートー。
もしすぐにでも何かが起きなければ、我々はあなたが今まで持っていた全ての援助を失います。
食料も水もなくなります。」
トードの報告にマグニートーが背を向けたまま答えました。
「お前は全くもって耐えるという事を知らぬ。これは戦争なのだぞ、トード。
力を蓄え、この星の磁界層を調査するのには時間を犠牲にする必要があるのだ。
地球の支配者となるための活動を午後から始めるとしよう。」
そう言い放ったマグニートーにアーンストが訴えました。
「あなたはのんびりしすぎたとマーサが言っているわ。
あなたはゾーン先生のままでいるべきだった。今のあなたでは死が待つだけよ。」
自分の前に立つ元生徒をマグニートーが睨みます。
「お前には見た目以上の何かがあると常に思っていた、アーンスト…
それが何なのか、今ここで見てやろう!!」
そう言ってマグニートーが右手に力を込めますが…
「だめ!だめよ!!」
二人の間にエンジェルが割って入りました。
「何考えてるのよ!?彼女の心臓を狙ってたでしょ!?
私達にこれ以上手を出そうって言うのなら、あんたの周り中に吐き散らしてやる!
私の子供達はヤク中の殺人者が世界を管理する光景なんて見たくないわよ!!」
横からエスミーもマグニートーに進言します。
「私の話を聞きなさい、エリック!
私はね…偉大な戦略家のための"目的達成のための手段"となったのよ!
もはや誰も何が起きているのか分かっていないわ!!」
「私は把握している、エスミー。」
その時、彼らの後ろから声がしました。
「ああ、そうさ。麻薬に溺れた狂人がお前達の指導者だ!!」
その声にマグニートーが振り返ると、そこには金属バットを持ったビークが立っていました。
「ニュースを持ってきたぜ…X-MENが本気でお前のケツを蹴っ飛ばしにここに来た!
エンジェル!子供達!俺の後ろに隠れろ!!」
マグニートーが笑います。
「おお、ビークよ。冗談だと言ってくれ。」
「うわあああっ!!」
ビークの持っていた金属バットが彼の手から離れマグニートーの前に浮かびます。
「素晴らしいな、小僧。お前は我がテストに合格し、より強き男となって戻ってきた。」
エスミーもビークを小馬鹿にしたような顔で見つめながら続けます。
「チタン製のバットで磁界王に挑むとは素晴らしいアイデアね。
どうやってここに来たのかしら?」
しかしビークは怯みません。
「お前は彼を死に追いやる際に大事なものを奪い忘れた!
エグゼビア学園は最高の学校だったのに!!」
マグニートーはビークに背を向け、エスミーに指示します。
「彼の相手をしてやれ、エスミー。」
「あなたは偉大なんでしょう?自分でやりなさいよ。」
エスミーの言葉にマグニートーが返します。
「エスミー…お前を誤った方向に導いたことは詫びよう…」
「何で私がまたあなたのために尽くさなきゃならないのよ。」
しかし二人はそこで窓の外にいる人物に気付きました。
「…ウェポン・サーティーン。」
new_x-men_planet-x_5-2.jpg「ファントメックスか。
何をしに来た。襲撃か?」
その言葉と同時にファントメックスが
ビルに向かって飛び込んできました。
「エヴァ。プロフェッサーXを
救出するために別れるぞ。」
そして窓ガラスに銃弾を
撃ち込みながら降り立ちます。
「ぐわあああっ!!」
銃弾が当たったマグニートーが
身を起こしながら命令を出します。
「奴を倒せ!!」
しかしその命令に従う者はありません。
エスミーがマグニートーを
見下ろしながら言いました。
「あんな銃弾の中に向かって行けって?」
トードだけがマグニートーの言葉に従い
ファントメックスに向かっていきます。
「俺がやる!」
「自分の膝は大事にしろよ!」
ファントメックスの撃った弾丸が
トードの膝を撃ち抜きました。
「ぐあああ!!うわあああ!!」
激痛に悲鳴を上げながら、のた打ち回るトード。
続いて弾丸はマグニートーも狙いますが…
「当たらんな。」
マグニートーは弾丸を操り自分から起動を逸らします。
「そんな台詞を言って大丈夫か?」
マグニートーを逸れた弾丸は、そのまま彼の後ろにある教授を閉じ込めたケースに命中していました。
「死ね。」
「ぐわああっ!」
マグニートーがそう言うと同時に周辺の鉄骨がファントメックスに襲い掛かります。
その時、アーンストが叫びました。
「あ…あの人がここに来る!」
「次は何だ?」
マグニートーが狼狽しながらそう聞くとエスミーが彼に言います。
「下よ!」
その言葉と同時にマグニートーは階下から放たれた
オプティックブラストによって吹き飛ばされました。
そしてそのままブラストによって開いた穴に落ちていきます。
「ぐ…サマーズ…」
そこには怒りの表情で自分を睨むサイクロップスが立っていました。
「お前は分かっているのか?
何があっても私はお前を信じていた。
ゾーンは誠実で素晴らしい男だと考えていた…
彼は私に希望をくれたと…だがそれは最初から…嘘だった!!」
サイクロップスの拳がマグニートーを殴り飛ばしました。
「お前はずっと嘘で固めたナイフで私を切りつけていたのだ!!」
new_x-men_planet-x_5-3.jpgそのままサイクはマグニートーの襟元を掴みます。
「この私がどれだけ間抜けだったか。
何ヶ月も我々を見てきた
お前なら知ってるのだろうな。
エン・サバー・ヌール(アポカリプスの本名)を
外に出してから、何ともいえない不快感が
身体中を走り回っていた。
必死にこの感情を押さえ込んでいた!!
お前は何を知っている?
これ以上は耐えられない。
これ以上の秘密は無しだ。
この怒りを解放することにした。
お前のように他者にこの怒りをぶつけてやる!!」
そう言うとサイクはマグニートーの顔を
自分の目の前に持っていきました。
「そのヘルメットは確か、
テレパシーからお前を守っているのだったな?」
「待て…」
サイクの目が赤く光りました。
そして一瞬にしてマグニートーの
ヘルメットが粉砕されます。
自身の顔にも重度の火傷を負った
マグニートーが呻き声を上げながら倒れこみました。
「う…ぐうう…おぉ…目が…目が見えぬ…何をした…目から血が…鼓膜が破裂して…」
「何をしただと?私が…」
「ゾーンに会いたいか?なら捕まえてみろ、サマーズ!」
マグニートーの力で浮き上がったゾーンのマスクがサイクに向かって飛んでいきました。
「うっ!!」
顔面に直撃してサイクが吹き飛びます。

その頃、カッコウズ達は別の場所に来ていました。
「X-MENストリートチームはフィフス・アベニューに到着しました。」
「テレパシーで群集整理中です。」
「ただ上空を飛行中のパイロット達は爆弾を投下する準備に入っています。」
順番に状況を報告するカッコウズ。そして3人は口を合わせて言いました。
「私達全員が復帰をお待ちしています、プロフェッサーX。」

ビルの中ではマグニートーがゾーンのマスクを手に持ちながら顔を押さえていました。
「ぐ…私に何が起きたのだ…頭が割れそうだ…チャールズ?
お前なのか…?…ぐわあああああっ!!」
そして悲鳴を上げてまた倒れこみます。
「チャールズ…」
しかし彼の前に立っていたのは教授ではありません。
「私がハゲたジジイに見える?
まあ、あんたが今まで私の見た目なんか気にして無かったって証拠ね。
あんたのためだと思って着てたのに。
あなたは特別だって思ってた。史上最も偉大なミュータントだと思ってた…
でもあんたは今や、ただの年寄り。それがアルツハイマーに侵されていく感覚よ。」
「お…お前が私の意識を…破壊しているのか…やめるのだ…私にこのような事を…」
new_x-men_planet-x_5-4.jpgそう言ってマグニートーを睨んでいたのはエスミー。
マグニートーが瞳から
涙をこぼしながら彼女に言います。
次の瞬間、
「うぁっ!」
短い悲鳴を上げてエスミーが倒れこみます。
彼女の金属のイヤリングがその姿を変えて
彼女の耳から脳に達していました。
「許せ。未来が私を許すだろう。」
マグニートーは動かなくなった
エスミーを見下ろしながら歩き出しました。
「歴史が私の行動を裁く。
偉大であったか卑小であったか、な。
最後の審判の時…私は彼らに楽園を与えるが…」
かざした手にゾーンのマスクが飛んできます。
マグニートーはそのマスクを再びかぶりました。
「この愚か者どもはそれを見ることも無い。
空を落そうではないか。」

上空を飛んでいた戦闘機からホワイトハウスに通信が入ります。
『突然です!』
『太陽が二つ現れました!』
『そのうちの一つは我々に爆弾を投下すべきでないと伝えていますが…』
その通信に割って入る存在がいました。ビーストです。
『綺麗な声をした方が私です。私はエグゼビア機関のヘンリー・マッコイ博士。
ミュータントによる緊急レスキューチームであるX-MENが、
テロリストに支配されたマンハッタンで対応をしています。
マグニートーを捕獲するまでしばらくお待ち願いたい。』
ホワイトハウスから返信が来ます。
『マグニートーは人類と言う種に対し宣戦布告をした。
我々の科学者は我々に失うものは何も無いといっている。
君達が言う言葉をどうして信じればよい?』
『その質問に対して詳細に答える用意が出来ています。
ですがまず全てのミュータントがあなた方の
敵という訳ではないという事を受け入れて頂きたい。
見ての通り、この世界でたった一人の男だけが、
遺伝子が違うだけで人類を絶滅に追いやる脅威を見せているだけです。
今すぐ…あなた方の近くにいる科学者の方々と共に確認してください。
我々が互いに友となる方法が必ずある筈です、大統領。』

瓦礫と化したビル…そこでエスミーが苦しそうに呻いていました。
顔中から血液や涙といった体液を流しながら地べたに這いつくばる彼女。
「エスミー…」
それを見下ろす姿がありました。エマです。
エマはエスミーを抱きかかえると彼女に囁きました。
「あなたは最終的にそんな魅力的な姿に変わってしまったのね。
私はいつも自分の少女達を誇りに思ってきた。でもあなたは…」
「うぅ…私はあんたなんかと…」
「あなたはもっとも私が誇りに思う子だわ。」
そう言うとエマはエスミーにキスをして彼女を降ろしました。
そこに頭から血を流しながらサイクが近づいてきます。
「ついに顔を見せる気になったわけ、サイクロップス?」
「エマ、どうすればいいのかずっと考えていた…私は内向的な性格だ。
いつも考えることから逃げてきた。
さすがに宇宙まで行こうとは思っていなかったが、君はもう知ってるだろう。
ローガンと出かけたことは…すべてマグニートーが仕組んだことだったんだ。」
サイクの言葉にエマが涙を流しながら訴えました。
「あいつらは私を撃ったのよ!
その次はジーンがカルトじみた悪夢で私を連れまわし、今度はこれよ!!」
「私は…」
エマの叫びにサイクが言葉を返せずにいると、カッコウズが彼らに話しかけてきました。
「エスミーの死については何か不思議な事が起きたようです。
マグニートーは世界を転覆できると考えています。
そして彼は重力、そして時間に対しても何かを行っているようです。」

ゾーンのマスクを被ったマグニートーはミュータントの群集の下に降り、高らかに叫びます。
「約束の時が来た。
マグニートーが世界を震撼させるために降臨したのだ!」
しかし人々からは疑問の声が出ます。
「ありゃ誰だ?」
「マグニートーはいつ来るんだよ?」
そしてその中から、彼を呼ぶ声がしました。
「マグニートー!」
そう叫ぶのはフォスターでした。
「動くな!ニューヨーク市警のフォスターだ!お前を逮捕する!
お前の起訴状を読むのに一日半は掛かりそうだ!」
マグニートーがフォスターを睨みます。
「お前達種族は明朝には絶滅する。そうなったらお前達の法など意味が無かろう?
襟章を尻のポケットにしまったままの様だがフォスター殿、職務に忠実とはいえんな。」
マグニートーはそう言うとフォスターの身体を群衆の前で宙に浮かせました。
「見るがよい、皆の者!人間が我らを脅かそうとしている!殺せ!!
奴らを根絶やしにするのだ。」
しかしそこに炎を纏った巨大な金属体が急遽飛来します。
「ナイスタイミングだ。あと少し遅かったらブチ切れて何するか分からないところだったんだぜ!
お前のためにあいつを痛めつけてやってたんだ、ヘンリー。」
フォスターの言葉を無視して、金属体からビーストが飛び降りました。
彼はそのままマグニートーに襲い掛かります。
ビーストが手に持っていた注射器をマグニートーに突き刺しました。
「ぐわあああっ!!」
「やったぞ!」
ビーストがマグニートーに話しかけます。
「この薬はお前の血流に混ざってキックのエンハンサーを中和する。
お前がした事が信じられんよ、ゾーン。お前だけは特にな!」
「ゾーンではない!マグニートーだ!!」
「うぉっ!ローガン!」
マグニートーがビーストを跳ね除け、突き刺された注射器を投げつけます。
「我こそはマグニートー!」
そう叫ぶマグニートーの前にウルヴァリンが迫ります。
「そればっかりだな、俺のことは覚えてるか、ゾーン?
お前に太陽に投げつけられた男だ!
言わせてもらうぜ、平和主義者共がお前を生かすって言っても俺は絶対に認めないからな!」
「ゾーンが遺したゴミ屑に用か?私が何者かお前なら知っているだろう!
お前の頭からアダマンチウムの頭蓋骨を抜き出して証明しようか、ウルヴァリンよ?」
「そうかい、回りくどい話は止めようぜ。」
「彼の言う通りよ。」
いつの間にかマグニートーの背後にはフェニックスの炎に包まれたジーンが立っていました。
「エリック…あなたが行こうとする道の前に私達を立ちはだからせないで。
今回あなたがやった事がいまだに信じられない。役者にでもなればよかったのに。」
「このヘルメットがあれば思考は読めぬぞ、ジーングレイ…終焉には向かっておらぬ…」
「もうあなたが破壊的な行為で注目を浴びようとするのを止めるには遅すぎるわ。
好きなようにやりなさい、マグニートー。行きたい道を行けばいい。
あなたが思い描く法を説けばいい。世界の支配に向けて突き進めばいい。」
ジーンがそう言うと、彼らを取り巻くミュータントたちの心の声がマグニートーの脳裏に響き渡りました。
『あんな男に何が出来る?』
『喉が渇いた…』
『あの変な被り物をした男は誰なんだ?』
『何が世界を引き継ぐだ。あんな奴じゃ小さな店一つ運営できないぜ。』
new_x-men_planet-x_5-5.jpgマグニートーが頭を押さえて苦悶します。
「愚か者共めが!
私が誰だか分からぬのか?
この混乱は序幕に過ぎぬ!
我こそはマグニートー!我を信じよ!」
ジーンがマグニートーに話しかけます。
「マグニートー?
どこをどう見ても似つかないわ。
マグニートーが死んだ時に、
あなたはどうやってマグニートーに
成り代わったのかしら?
これが皆が知るマグニートー?
その顔でマグニートーを名乗るの?」
ジーンにそう言われ、
観衆が囲む中心でマグニートーがしゃがみこみます。
「息苦しいな…ならば脱ごうではないか。」
そう言ってマグニートーが顔を上げました。
「このクズどもが。よく見るが良い。
我こそがマグニートーぞ!」
マスクを取ったその顔は
先程のサイクの攻撃で醜く焼け爛れています。
「我こそがそうなのだ。」
皆からの冷たい視線を受け、
再び頭を押さえるマグニートー。
その時、後ろから彼に話しかける声が聞こえました。
「君が行った最悪の行為は再び戻ってきたということだよ、エリック。」
それは教授でした。
サイクロップス、エマ、ビースト、ファントメックス、
ビーク、エンジェル、アーンスト、カッコウズ…
X-MENを連れた教授がマグニートーの目の前まで近づいていきます。
「マグニートーは死という変革への啓示を以って伝説となった。
時代遅れな思考を持った傲慢かつ愚かな今の君を見るに…
次代のミュータント達が望むものを君は何も持っていないようだ。
君の似顔絵が描いてあるTシャツを除けばね。
彼らは自分の考えで今や動いている。おそらく私達が持っていた古い夢を捨て去る時が来たのだ。
…そして今こそ彼らの声を聞こうではないか。
君のやり方では決して成功しない、エリック。前には進まない。
君ももういいだろう。我々はもう十分やったのだ。」
「ぐうぅぅ…」
教授の言葉を聞いて倒れこむマグニートー。その手をジーンが握ります。…しかし。
「十分か。」
マグニートーがジーンの腕を握り返した途端、
「あああっ!何をしたのっ!?」
ジーンが悲鳴を上げました。
「致死量の電磁パルスだ。君は今、星間規模の衝撃を受けているはずだ、ジーン。
私が蓄積していたパワーをどこかに放出する必要があったのでな。」
そう言ってマグニートーが立ち上がります。
「あ…が…」
全身から血を流してジーンが悶え苦しみます。
「私は若者風情から裁かれる気など無い。さあ、殺すが良い。
それによって私は不滅となる。」
new_x-men_planet-x_5-6.jpgその台詞が終わると同時に、
「うおおぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
ウルヴァリンの爪が
マグニートーの首を跳ねました。

「ジーン!気を確かに持て!!」
サイクがジーンを抱き寄せます。
「スコット…」
しかしその身体にはもう力がありません。
その横でカッコウズが呟きます。
「見える?
何かが今、この世界にとって
悪い方向に向かったわ。」
サイクが涙を流しながらジーンに呼びかけます。
「ジーン!誰か助けを呼んでくれ!…ゾーン…」
しかしゾーンと呼ばれていた
鉄仮面はもう何も返事をしません。
「うがあああああっ!!!」
「ローガンが暴れだした!」
怒り狂うウルヴァリンを
ビーストが必死に抑えます。
「ジーン、私が全て悪かった。
君を…傷つける気は無かったんだ。」
「フェニックスは分かってるわ…
あなたがあそこまで生き生きとしている姿なんて見たこと無かった、スコット…」
その後ろではエマが沈痛な表情で二人を見つめています。
「…生きて…スコット…いつも私ってあなたの前で死ぬのね。」
「ジーン!嫌だ!!ジーン!!!」

そして150年の時が経ち…
月面を宇宙乗用車が飛行していました。眼下には遺跡が広がっています。
一人の男が乗用車から遺跡に降り立ちます。
「コロナが見たと言っていた。本当だと思うかい?
あれから数年が経った…あの戦いから…」
「本当だろう。神のご加護を。
…ついにフェニックスの卵を見つけたぞ。」
彼の足元には光り輝く卵が転がっていました。


ついに完結しました。
たった5話の話ですが、のんびり翻訳してたせいか1年以上かかってしまいましたね。

マグニートーによって殺されたジーン。
アメコミの主要キャラは死んでもすぐ生き返るとよく言われますが、
何とジーンはこの話で殺されて以来、現在10年経ってますがまだ復活していません。
でもこの作品で近年の流れが決定的になったんですよね。

死の間際にジーンがサイクに言った台詞。
それは自分を忘れてエマと共に歩むようにと言う助言に他なりません。
最後の会話を交わす二人の後ろにエマが描かれているのが暗喩となっていて面白い描写です。

そして教授もまた、この作品で自らが前線に立つ時代はもう終わったと宣言します。
これによって教授がX-MENを率いるという創刊時からの基本設定が終焉を向かえ、
サイクが指導者になるという流れに向かっていくんですよね。

一方でサイクは何か情けない描写です。
エマから逃げ回っていたことを責められ言い訳をし、
マグニートーには怒りを発散するかの様な非人道的な攻撃。
超至近距離からブラストを浴びせて顔面を焼くといった攻撃は
サイクの長い歴史でも取ったことのない戦法です。
そしてジーンの死にただ泣きじゃくる。
このNEW X-MEN誌ではエマとの不倫がバレてその場から脱走、
そして酒に逃げるという情けない描写が続きましたが、
最後まで情けなさが前面に押し出されていましたね。

そしてマグニートー。
最後は長年の部下であったトード以外の全ての部下に裏切られ、
滅多打ちにされて死んでいきました。
この作品におけるマグニートーも酷い描写であったと言わざるを得ません。
麻薬に溺れるなんて姿はマグニートーファンからすれば憤慨ものであったかと。
ただ外見だけは今までのパンツ姿から渋めのロングコートに変わったことで今でも人気があったりします。
そしてこのマグニートーは後にマーベル編集部から衝撃の説明が行われました。
それは「あれは偽者でした」という設定変更。
まあ、X-MEN最大の敵が、あれだけ情けない姿で
首を跳ねられて死んでしまっては編集部もそう言うしかないですよね…

そういえばこの話で主役級の活躍をしていたビークとエンジェル。
この夫婦は現在もいるのですが、見た目が全く変わってしまっており当時の面影はありません。
夫婦共に格好良くなっています。

さて。いつもの作品全体の総括を。
ストーリー :☆☆☆
敵の魅力  :☆☆☆
絵柄    :☆☆☆
読みやすさ :☆☆
サイク活躍度:☆☆
といったところでしょうか。

ストーリー担当はグラント・モリソン氏。
よく難解なストーリーを書くと評されますが、この作品は敵がマグニートーであり、
ストーリーの主軸が彼との対決となっているため分かりやすい展開だったと思います。
ただあまりにも衝撃的な展開にしてしまったため、既に何回か書きましたが
この後のX-MENの展開が今までと全く違うものになってしまいました。
ストーリーとしては面白かったと思いますが、名作と言う程の内容でもなかったかと思います。

敵は見ての通りマグニートー。
ただ今までのマグニートーというキャラと全く違う描かれ方をされており、
悪の帝王として魅力的ではありますが、やっぱり違和感は拭えません。
偽者と言われても仕方なかったかな。

作画担当はフィル・ヒメネス氏。
どちらかと言えばMARVELよりもDCをメインにしている方で、荒々しい絵柄が特徴。
NEW X-MEN誌のメイン担当は違う方なのですが、このストーリーともう一つを彼が担当しました。
日本人受けは良くなさそうな絵柄ですが、見やすい絵柄だと思います。
後にASTONISHING X-MEN誌でも再度X-MENを描いていますね。

読みやすさは今一つ。
字が多いという訳ではないのですが難しい表現が多く、かなり読みづらいです。
会話が成立していないところは意訳した箇所も結構あるので、
私の翻訳では原作の雰囲気がなくなっているかもしれません。
ちなみに今回は意訳中の意訳としてアニメ版X-MENのネタも盛り込んでみましたが誰か気付いてくれるかな。

サイクは既に書いたように情けない感じです。
最後にマグニートーに大ダメージを与えていますが、八つ当たりみたいなこと言ってるし。
まあサイクが珍しく肉弾戦をしたりしてますので、見所はありますけどね。

そんな感じで、これにてPLANET X、翻訳完了。
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この記事に対するコメント
ジーン死んじゃいましたね。ジーンが死んだ理由は気になっていたので今回知る機会を与えてくれてriseさんには大変感謝しています。
スコット情けないですよね。ほとんど何もしてないし、ローガンがジーンといちゃついてばっかりだったと思います。
ところで結局いつからマグニートーは偽物だったんでしょうか?
編集部的には最初から偽物だったと言いたいと思いますけど、まさか最初から偽物というわけではなかったと思います(少なくても最初のやり方は鮮やかでした。なのに2話目から少しずつ杜撰になっていっています。この間に何か変化があったのでしょうか?)

そしてミュータントを人と思っていない発言が政府内でありましたけど、国の方針を決める政府出身者ですら、これなんですから他は推して知るべしです。確かにミュータントを怖いと思う気持ちはわかりますが、あのような発言をしていてはかつてアメリカが戦ったナチスと同じです。ナチスを倒したアメリカとナチスによってすべてを失ったマグニートーが同じことを主張して罵り合うのは皮肉めいたものを感じます。

ジーンが命を落とし、教授は最前線を退いた。今思えばここからユートピアまでの道のりは始まっていたのかもしれないですね。そしてユートピアから先はどのような道なのでしょうか?今のところはローガンとスコットがお互い別の道を歩んでしますが、いつか交わってくれると信じています。
【2013/03/20 22:46】 URL | 星羅 #ADJD0lrw [編集]
 
翻訳本当にお疲れ様でした。

>お前はずっと嘘で固めたナイフで私を切りつけていたのだ!!
これって日本版アニメOPの歌詞ですよね?こんな所にオマージュネタが隠されていたなんて凄い。
しかしマグゾーンさんはアイアムマグニートーを連呼しながらドクロメットを
脱いだり被ったり脱いだり被ったりと非常に挙動不審なことを繰り返しながら死んで行きましたが
そりゃ無かったことにしたいですね、これ・・・
【2013/03/21 00:50】 URL | 名無しさん #yl2HcnkM [編集]
 
ライターが裏切りや憎しみで心削られてそんなセリフを書いたのかと
思ってドキドキしてしまいましたが、意訳中の意訳でしたか…(笑)

ジーンのセリフからすると、この結末時点で実はニセモノだった展開への
伏線を用意していたとも取れる…?
キャラを情けなく描いて落とすのもグリム&グリッティの手法だとしても
あまり多用はしてほしくないのがファン心理ではないかと…

Disassembled以前から、暗黒時代への道は始まっていた、という
ことでしょうか。
近年の仲間割れの続く展開を思い返すにつき、邦訳オンスロートを
読んだ時の「憧憬の時代は終わりぬ」というセリフを、よく思い出してしまいます。
【2013/03/21 01:11】 URL | にじあめ #qbIq4rIg [編集]
 
>星羅様
どこかでモリソン氏が自ら最初からマグニートーは偽者という設定だったと
言っていた様な気がするのですが証拠が見つけられず。
政府はこの頃は反ミュータント派な感じですが、この数年後に
サイクに勲章を授与してるからだいぶ変わったと思いたいですね。

>名無しさん様
原書での台詞は
"You filled all our lives with lies !"
なので、完全に原作無視の意訳という訳でもないんですけどね。
ただ太字の専用の噴き出しで書かれてて、相当熱の入った台詞だと思ってます。
マグさんが何であんなにも脱いだり被ったりしてたのかは永遠の謎です。

>にじあめ様
ジーンの台詞からは若干、そんな感じも取れますよね。さすがフェニックス。
…ただ偽者ですらフェニックスを一撃で殺せるなら
本物のマグさんにはAvXの時にはもう少し活躍して欲しかったかも。
X-MENは悲劇的な話ばかりなので、もう少し明るい話も増やして欲しいですね。
【2013/03/21 20:56】 URL | rise #r1y2oiqA [編集]

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