rise from dilapidation !!

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AVENGERS VS X-MEN #6
【2012/09/02 20:27】 アメコミ原書翻訳
avengers_vs_x-men_6-1.jpgあれから10日が経ち…
一人立つマグニートーの前に
1機の小型飛行機が着陸します。
その中から降りてきたのは…
「やあ、エリック。」
「チャールズ。
会えて嬉しいよ、古き友よ。
君を待っていた。
…ようこそ。ユートピアへ。」
そう言う彼の後ろに
広がっていたのはまさに楽園。
広大な敷地に緑と科学が融合した
本当のユートピアがそこにありました。
「もちろんテレビでは見ていたが、
実際にこの目で見るとこのスケールは…」
驚きを隠せない教授が、
天空に浮かぶ階段を降りながらマグニートーに言います。
「ああ、彼らが建造したものは実に壮大であろう?
偉大な男による偉大なる行為だ……着いたぞ。」
やがて二人は巨大な扉の前に立ちました。
マグニートーがプロフェッサーXに忠告します。
「彼らは以前の様な子供ではないぞ。」
「私には子供に見えるよ。」
「その考えはやめた方がいい。
彼らは変わったのだ、チャールズ。
"彼"は変わった…その扉をくぐれば分かる。」

avengers_vs_x-men_6-2.jpgそしてプロフェッサーXが扉を開けて進んだ先…
まるで祭壇の様に荘厳な景色の中に彼はいました。
『こんにちは、教授。』
彼は黄金のバルコニーから下界を見下ろしたまま、
振り向きもせずテレパシーで話しかけます。
『あなたが何故来たのかは知っています。
あなたの心を読みましたから。』
プロフェッサーXが彼…
サイクロップスに言葉で返事をします。
「ならば私の懸念も理解してくれているね。
君が振りかざしているその力…
それが世界を不安に陥れている。
人々が恐れているんだよ。」
『あなたは常に私に言っていたではありませんか。
明日に怯えるべきではないと、教授。
これは新たな始まりなのです。』
振り向いて笑顔でそう答えるサイクロップス。
その顔を見てプロフェッサーXが聞きます。
「君はもうバイザーは不要ではなかったのかね?」
『ええ、要りません。』
「ならばなぜ装着しているのかね?」
『かつて偉大なる人が私に、
人と違う視点でものを見る価値を教えてくれたからです。
私はその教えを忘れたくなかったので。チャールズ。』
その言葉に無表情のままプロフェッサーXがテレパシーで返しました。
『私が言ったのはそういう意味ではないよ。』
『もちろん分かっています。より良い方向に受け取りなおしました。』
そしてサイクは教授に話し続けます。
『現在、我々は世界に向けて、生きとし生ける者全てがより幸せになれる世界を構築していこうと訴えかけています。
不毛の大地に花を咲かせ、飢えが支配する場所には豊穣を。
私達が作った泉からは渇きを癒す水が湛え、
そして無限に…恒久に使用できるエネルギーが提供される。
彼らは我々を恐れているのではない…我々に感謝しているはずです。』
サイクの言葉通り、フェニックス・ファイブを始めとしたX-MENは
その力を平和のために使用していました。
再生の力は痩せた大地に緑を戻し、作物を実らせ、水を豊かにし、無限の力を生み出す。

「全ての人が喜んでいるとでも?。」
プロフェッサーXの言葉にサイクが言います。
『確かに。古き習わしは変化に抗う。大概のものは屈服させましたが…
あなたが我々に教えてくれた事を思い出して下さい、教授。
彼らは変わるのです。人類は変化を受け入れる。
私はそれを信じています。常にね。』
「知っているとも…だがこの様な形ではない。
これはまやかしだ。何の犠牲の上にも立っていない。」
天空の宮殿から下界を見下ろしたままサイクが聞きます。
『何の犠牲も払っていないですって?
それは違う、教授…我々はとても長い間、多大な犠牲を払ってきた…
今、本当の世界が、我々が気まぐれで思い描いただけで出来上がった。
我々が願うだけで現実そのものが築きあがる。
見えないのですか?あなたが長い間待ち望んだものがついに訪れた…
これこそがあなたの夢です、教授…私はあなたにこれを見せたかった。』
彼の視界に広がる緑の楽園では若きX-MEN達が楽しそうに遊んでいました。

それから2日後。アベンジャーズ・タワー。
『まただ。』
ボロボロになった血まみれのアイアンフィストが短い報告を行いました。
モニターを見つめながらキャプテンアメリカが聞きます。
「みんな無事か?」
『想像していたよりはマシだ…』
「何があったか話してくれ。」
『ああ…我々はバルト海で誰かが発信したNATOの警報を聞いて
ヘルシンキのハイドラの巣に向かったんだ。
そこは高電圧発電を源にした…ザザックス(電気の体を持つキャラクター)みたいな
奴らの根城だったみたいなんだが、俺たちは不意を突かれて何も出来なかった。
電気の兵どもが俺達を包み込み、俺たちは死も覚悟した。
しかし、その時…その時に…』
「X-MENが現れた…か。」
『X-MANだ。たった一人だけ。コロッサスだけが現れた。
まるで鋼の神のように静かに立ち去り、そして俺達を救ってくれた。』
「なるほど、それはよかった。彼ならそいつらを打ち負かすだろう。
しかし君ならその彼をさらに超える方法を思いつけると思っていたのだが?
何か戦闘中に弱点でも…」
『そうなりゃ俺の手は真っ赤に燃え始めるさ、キャップ…
でも違うんだ。理解できないかもしれないが…戦闘は行われなかった。』
「何だって?」
「彼らは…外で話し合いを始めたんだ。」
その時の光景をアイアンフィストが思い出します。
「彼らはなんて言ってたんだい、ダニー?」
『わからない。俺は電気語は話せないんでね…
だが最終的に奴らは東ヨーロッパの送電網の一部になることを承諾した。
ミュータントによる無料のエネルギーがまた増えたんだ。
俺が思うに…何の諍いも起きずに全てが上手くいっているようだ…キャップ。』
「わかった、わかった…
気をつけて帰ってきてくれ。帰ってきたら話の続きをしよう。」
そして通信が切れるとキャプテンアメリカは静かに、奥の作戦室に向かって歩いて行きました。
「に全てが上手くいっている…か。」

avengers_vs_x-men_6-3.jpgキャプテンアメリカが作戦室に入ると、
「見ろ、地球にたどり着いた事で
フェニックスのテレメトリに微弱な変化があったぞ。」
「微弱すぎて対象にする必要はないだろう。」
「ああ、そうだ…吾輩が言っただろう?
動き回るターゲットというのは…」
アイアンマン、ブラックパンサー、
ビーストといった科学者たちが
熱心にホログラムを見ながら
意見を交わし合っていました。
「教えてやる。それがホープだったんだよ。
俺たちが探しまわってたな。」
隣でウルヴァリンがしかめっ面を
しながらそう言ったところで、
キャプテンアメリカも参加します。
「皆、いいかな…?
別のフェニックスとの遭遇だ。
ダニー、ルーク、そしてジェシカが
エストニアでコロッサスと会ったそうだ。」
「何と…」
言葉に詰まるビーストの横でウルヴァリンが聞きます。
「奴らは大丈夫だったのか?ピーティーは…」
「いや、全員無事だ。
おまけに新しく、この星で最も安価なエネルギー源がスーパー・ヴィランでまかなえる事が判明した。
誰かそんな事実を知っていたかな?」
「吾輩は当然そんなアイデアなど数年前に…」
「問題はそこじゃない、ハンク。
もう一週間が経った。行動に移すための計画が必要だ。
君達が思いつく最良の意見をくれ。」
その言葉にブラックパンサーが答えます。
「我々の最良の意見だって?
今我々の置かれた立場を考えるに、何もしないより何かした方がいいと言えるのか?
彼らは何か間違った事をしているのか?誰が判断を下す?
ソーが民から信頼を得るには強大な力を持ちすぎている事を、我々のうち誰が説明できる?」
アイアンマンが言いました。
「私には幾つか案はある…
バトルスーツを増やして、フェニックス・キラー用の兵器を改良するとかね。
しかし今気になるのは分散した力が、より問題を拡大させている事だ。」
「お前らはどうでもいい事を気にし過ぎだ。もっと重要な事があるだろうが。
俺達がやらなきゃならないのは…」
ウルヴァリンがそこまで言い掛けたところで、
「もういい。」
ビーストがそう言って全員を見渡しました。
「我々は一体何をしているんだ?」
「最悪の事態に備えて計画を練っているところだ。」
「聞かなくても知ってんだろ、ハンク?全てが悪い方向に向かってんだ。」
キャップとウルヴァリンの答えにビーストは聞き返します。
「なぜそう言い切れる?
ティチャラが言ったように…それを証明するものは何もないんだぞ。
現時点で我が友…我が人生を知った者達がこの星を、
我々生物全てが生きていける星に直している。
それなのに吾輩はここで椅子に座って、この星最強のヒーロー達がその計画を潰し、
その者達を殺そうと企てているのを聞いている。
もうたくさんだ、紳士諸君。私は降りる!」
そう叫ぶと、ビーストは一人部屋から立ち去ろうとします。
「どこに行こうってんだ、ハンク?」
ウルヴァリンの問いにビーストが短く答えました。
「どこにも行くところなど無いよ、我が友よ…
日に日に吾輩も君も、家と呼べる場所が無くなっていく様だな…」

天空に浮かぶ新たなユートピアでは、ホープが一人で下界を見下ろしていました。
「ここは牢獄なんかじゃないぞ、ホープ…」
そう言って彼女の後ろからサイクが近づいてきました。
「君が目を覚ましてから何回も言ったように、もし不満ならいつでも君が好きな時に出ていけばいい。」
その言葉にホープが目を逸らしながら答えます。
「私には出来ない。私は…あれの声が聞こえるから。」
サイクが手を広げます。
「魅惑的な声だろう。生と死を司る力…世界を作り変えられる力…とても単純な…そして無限の力だ。」
サイクの手から炎が燃え上がりました。
「私は声が聞ける。」
「そうだ。私がここで望めば…君もこの力を手に入れられる。」
avengers_vs_x-men_6-4.jpgサイクの手から広がった炎は不死鳥の形となり、
ホープの前で翼を広げます。
その炎に手を伸ばすホープ。
「わ…私は…それが…欲しい。」
しかし炎は瞬時に消えました。
サイクが拳を握り、炎を消したのです。
「しかし君は拒否した。
これは君のものだったのに…
君は拒絶したのだ。
そして私にはわかる。
今の君にはこの力を手にする資格はない。」
手を伸ばしたままで呆然と自分を見つめる
ホープを背にサイクは歩き出しました。
「君はこの力で何をする気だ、ホープ?
一体子供が何をする?
何も経験していないのに、
何が必要なのかどうやってわかる?」
そう言って去っていくサイクにホープが叫びます。
「私にもまだ声が聞こえる事がわかっているくせに…
あれはもっと熱く激しく燃やしたがっている…
こんなもので満足していると思ってるの?」
自分に言い聞かすがごとく、
ホープに聞こえない声でサイクが答えました。
「無論、そんな事は分かっている。
我々はもっと多くの事を為さなければならないのだ。」

世界中からの戦争と兵器の廃絶…今まで誰も成し遂げてこなかった偉業をフェニックスファイブは行います。

崑崙の寺院の階段をある男が歩いていました。
彼の名はライコウ。かれは門番が立つ扉の前に立つと、こう聞きます。
「何かあったか?」
「涙が、ライコウ殿。そして笑いが。
何度聞こうが彼はこの言葉しか言わないでしょう。
"何かが燃える"と。」
その言葉を聞いてライコウは短く言いました。
「開けてくれ。」
そして彼は開かれた扉の先に向かいます。
その中にいたのは一人の老人でした。
「ご老体。」
ライコウがそう言うと、老人が話し始めます。
「はっ!臭いでわかったわ…嵐の子よ。
雷の様に泣き叫ぶ子よ。
儂の研究室に忍び込んだのを引っ叩いてからどれぐらいが経ったかのぉ。
また伝承と秘儀を盗みに来たのか?
もしくはこの儂の様に、寝食を忘れるほどの楽しげな記憶でも持ってきたか?
言うてみるがよい。お前は燃え殻と灰の臭いを嗅いだのか、ライコウ?
それとも何か以前に巡り合ったものに怯えておるのか?」
ライコウが静かに口を開きます。
「空に燃える鳥がいました。堕天の書を読ませて頂きたい。」
老人が歩きだします。
「いいとも…いいとも。炎の鳥…燃ゆる輪廻…とてもとても古きもの。とても悪しきものよ。
世界を浄化し、古きを滅して、新たな道を創造する。
静かなる者フォンジィは別の考えを持っておったが…覚えておるか?」
やがて二人は長きに渡り人が入った形跡のない暗室にたどり着きました。
そこには一冊の本が置いてあります。
「二つの相反する魂が反発しあう…深紅の心だけがその代価を理解しておった。」
avengers_vs_x-men_6-5.jpgそして老人は本に手をかざしました。
彼の掌に埋まった眼球が本を見つめます。
「そうだ…そうだ…ここだ。
過去に全て起きた事よ。」
彼が指したページには絵が描いてありました。
火の鳥を纏った天女と、
燃える拳を突き付ける赤髪の人間。
そして文字が記されています。

フォンジィ・ウー(1596-)
静かなる者フォンジィ
深紅の心
龍の拳(ドラゴンズ・フィスト)

フェニックスの死と生を拒みし者。

天空より来たりし星の再生と
七大都市の崩壊を防ぎし者

そして老人はライコウに言いました。
「アイアンフィストが必要じゃ。」

それからさらに3日が過ぎ、キャプテンアメリカはホワイトハウスにいました。
「この書類の報告では、フィリピンにあった古いS.H.I.E.L.D.基地が、
ミュータントによって、学校に作り直されたという事だが。
我々が問題視しているのはあれは3億もかけた施設だということだ…
大統領のところには、これと似たような報告書が山積みされている。」
「あなたの苛立ちは理解しています。この問題は現在のわれらの課題です。」
政府高官にそう返すキャプテンアメリカに、隣にいたアイアンマンが続けました。
「X-MENが自分達を公表してから状況が…」
しかし、そこで一緒に来ていたワカンダ国王ティチャラが口を挟みました。
「その意見は正確ではない。」
「ティチャラ、君は…」
「私もあそこにいたのだ、アンソニーよ。
彼らの言葉を直に聞いた。彼らは別に自分達を何かだと称していた訳ではない。
彼らは人類に対し最終通告をしただけだ。」
そしてティチャラは当時の状況を思い出します。それは国連総会の場での出来事でした。
各国の要人たちが見つめる中、突如会議場に姿を現したサイク、エマ、ネイモアの三人。
炎を纏ったサイクが彼らに向かって話しかけました。
「ここには世界の代表者達が集まっているとお見受けする。
ならば我が言葉を聞くがいい。
我々は諸君に渇かぬように水を耐え、飢えぬように食料を与える。
この近代生活に必要不可欠なエネルギーも供給しよう。
だが、それで終わりではない!
我々にはもっと多くの事が出来る…そして我々はそれを執り行う。
今日この日より、我々が人類の暗黒の侵略から平和と自由を与えよう。
さあ、かつて見たこともない偉大なものを築き上げようではないか。
もう兵器は要らない…人を殺すための機械など要らない…
今日この日より、我々はミュータントと人類による耐えきれないほどの暴力から解き放たれるのだ。
今日この日より、戦争は要らない。平和なるユートピアを建設しよう。」
ティチャラが回想に耽っていると、部屋の向こうで外を見ていたアメリカ大統領が口を開きました。
「そしてあなたは、彼らにそれだけの事を出来る力があると?」
ティチャラが答えます。
「おそらくは。
私も数十年振りに見た光景なのですが、戦闘や飢えが無くなることで
ワカンダにいた難民がエチオピアやスーダンに戻っていきました。
この話は、もっと熟考した方がいいかと思います、大統領。」
しかし大統領は窓の方を向いたまま答えます。
「もちろんそのつもりだ、陛下。
素晴らしい行為だというのは明白だからね…我々の手が血に染まり過ぎているのは神もご存じだろう。
しかし、これは…これはだ…
我々に欠点があったとしても。私は人間というものを信じている。
我々には前に向かって歩んできた歴史がある。
しかしその前進の為には常に、責任能力のある他の文化があった。
現時点ではX-MENにそれはない…そしてそれを誰かがやらなければ。」

その頃、別の場所では。
炎を見つめる初代アベンジャーズの面々。
その炎は巨大な鳥となって、彼らを一瞬のうちに焼きつくします。
脳裏に浮かぶその光景…予知を見て、スカーレットウィッチが呟きました。
「これが…次に来る光景…」

そして。
『行動部隊へ連絡。
我々は国防総省と中央軍から承認を得ました。
管制からは周辺に飛行機隊がない報告を受けています。
そして天候も…悪くないみたいね。』
管制からの連絡を受け、上空を飛ぶ飛行機の中でアベンジャーズが身支度を始めます。
『特に異常なし。楽しい狩りの時間を。』

我々の目標は、あの少女だ。

その3時間前。
「このミッションではまさに、ホープだけが目標だ。
彼女はフェニックス・フォースを解き明かす鍵となる。」
作戦室で新ユートピアの全体ホログラムを前にそう言うキャプテンアメリカにホークアイが聞きました。
「範囲限定か。で、あの5人の誰かと鉢合わせしたらどうすればいい?」
その質問にウルヴァリンが答えました。
「どうやって勝つかって?俺達にそのチャンスはねぇ。
もしピンチになったら、そこのアーマー・トニーが俺達の戦力を増強するそうだが。」
「そうかい…俺たちは飛び込んでって、少女を拾って、地獄から脱出ってわけだな。」
「ああ、しかしテレポートは出来ねぇからな。マジックが対抗処置をしてるだろう。
おまけに少しでも作戦が遅れたら、奴らが俺達を嗅ぎつける。」
ブラック・ウィドウが続けました。
「それが私達が少人数でコンバート767(一般旅客機)から飛び降りる理由よ。
ユートピアから50マイル北を飛行する民営のルートですからね。
ヘイローをやろうって事よ。チームは今ここにいるメンバーと…」
avengers_vs_x-men_6-6.jpgそこでその横にいたブラックパンサーが口を挟みました。
「私は行かない。」
「え、何?」
「私は国の代表だ。
それがこの様な行動に参加して、
ワカンダが支持しているように思われてはいけない。
たとえどんな目的であってもだ。」
その言葉にアイアンマンが答えました。
「わかったよ、ティチャラ。
我々が正しいなら、
君のその考えが自己満足なだけだと願おう。
さて、計画に戻るぞ。ここが我々の目的地だ。
我々はホープに関する所在特定衛星画像を手に入れた。
我々はユートピアに潜入して、
数分で作戦を実行しなければならない。
私はフェニックスが媒体を探しているらしいという
正確でない勘とも言える理論に辟易しているのだが、
ホープこそが現在我々が直面している問題の
鍵を握る存在であることは間違いない。
もう一度言う。」

我々の目標は、あの少女だ。

そしてアベンジャーズのユートピア降下作戦が始まりました。
ユートピアの一室でくつろぐホープ達ファイブライツの面々。
そこに突如、装甲服に身を包んだアベンジャーズが押し寄せます。
「頭脳チームは間違ってなかったな。彼女がいたぞ!!」
しかしすぐに別室にいたエマが異変に気付きました。
「あら、訪問者よ。アベンジャーズが来たわ、スコット。
またホープを探しに来たみたい。私が呼び出して…」
「いや、それは不要だ。」
バイザーを外して、私服で本を読んでいたサイクが答えます。
「我々が自ら対処しよう。」
彼がそう言うと、コスチュームが空間から現れ、サイクの身を包みました。

その頃ユートピアの一室では。
「彼女から離れろ、この…ゲフッ!!」
ホープを守ろうとしたガブリエルがソーの一撃で倒れこみます。
「ガブリエル!!」
そう叫ぶホープの腕を…
「彼女を捕獲した。」
ソーが掴んで言いました。
「よし、作戦終了!全員撤退するぞ!」
キャプテンアメリカが仲間にそう言いますが、
「フン…フン…遅かったようだな、キャップ。スリムが来たようだ。」
ウルヴァリンが鼻を鳴らしながらそう言いました。
そして次の瞬間、周辺一帯が炎に包まれます。
「まさに私だよ、ローガン。
君達の行動はいささか気に障るね。」
エマを連れたサイクが彼らの前に姿を現しました。
現れると同時に放ったサイクのブラストで吹き飛ばされるキャプテンアメリカとホークアイ。
「後退して!私達の目的は少女の確保と脱出よ!」
スパイダーウーマンがそう叫びますが、
「あなた達は何も入手できない…そして消えなさい。」
エマがそう囁き、炎を発します。
「気をつけろ!!!」
そう叫んで炎の衝撃に身構えるアイアンフィスト。しかし予想していた衝撃が伝わってきません。
「何故俺は大丈夫なんだ……?」
恐る恐る彼が目を開くと、
「俺は今まで自分の手が燃えていると思ってたが…これは…」
彼の前で巨大な陰陽の魔法陣が炎を遮っていました。しかし、
ザシュッ!
サイクのブラストで、その魔法陣もろとも、
彼らも吹き飛ばされます。
avengers_vs_x-men_6-7.jpg残されたアイアンマンとソーの後ろに立つホープに
目線をやりながらサイクが言いました。
「エマ…ホープを取り返せ。
私はこの二人の相手をしよう。」
そう言ってサイクが手をかざした途端、
アイアンマンのスーツが分解されました。
「手を引くがよい…
さもなくば私が嵐を呼び、天を割くぞ。」
ソーがそう言ってサイクを睨みますが、
サイクは冷静な表情で彼を見返します。
「君は私を天気と同じように扱うのか?」
その言葉と同時にソーがハンマーを
振り回しながら襲い掛かりました。
「うぉああああああっ!!!」
しかしそのハンマーはサイクに届きすらしません。
サイクは軽く手をかざしハンマーを
空中で止めてしまいました。
「うぅっ!」
「私は生であり死である…
その私が雷光如きに恐怖を覚えると?」
そしてソーもまたサイクのブラストで
吹き飛ばされました。
しかし、そこでエマが異変を感じます。
「スコット!何かが来るわ…
混沌なる者……スカーレットウィッチ!!」
突如としてその場に現れたスカーレットウィッチ。
彼女はホープの前に立つと、サイクにこう言いました。
「もうこれは終わりにしましょう!
慈悲をお願いするわ、スコット…全ての人類とミュータントの為にも。
私はここで起きた事を見ていた。」
その言葉にサイクが言い返します。
「我々はただ自己防衛をしていただけだ。彼らが我が土地に踏み込んできたのだ…」
「もう彼らは出て行くわ。…私と一緒に。」
「…」
ここで後ろにいたホープがスカーレットウィッチに話しかけました。
「私も一緒に行くわ。」
その言葉にサイクが反応します。
「駄目だ。それは絶対に駄目だ。」
「あなたは私にいつでも好きな時に出ていけばいいと言ったじゃない。
ここは牢獄なんかじゃないと言ったじゃない。」
「それとは話が違う。そいつらは君を我々と戦うために利用しようとしている。
そんな事を許す訳にはいかない。」
「私は彼らと一緒に行くんじゃない。この人と一緒に行こうとしているのよ。」
スカーレットウィッチがホープに囁きかけます。
「同じ仲間の中にいて自分を理解してもらえずに孤独を感じていたのね。
怖かったでしょうに。私があなたの行きたいところに、どこでも連れて行ってあげるわ。」
「やめろ!私はそんな事を…」
移動しようとするスカーレットウィッチの腕をサイクが掴みますが、
「ぐああああああっ!」
何かを感じ、サイクが手を離します。
「こ…この感じは…」
サイクがそう呟く前で、スカーレットウィッチが
アベンジャーズとホープを連れてテレポーテーションを開始しました。
「私は悪しき事をしている訳ではないの、スコット。
これは必要なこと…将来の為に…」
そう言って彼女達は姿を消しました。

残されたサイクにエマが聞きます。
「スコット、どうするの…?」
サイクがその質問に答えます。
「いつもだ、エマ…いつも我々は苦境に立たされる…
苦境が我らから離れる事がない。
我らは恐れられ、迫害され…危険視されてきた…
我々はもはやほんの少数しかいないのに、いまだに苦境が去る事はない。
今、我々はこの世界で最も強大な力を持ったのに。
地球を再生し、よりよい生活を提供しているのに、
それでもだ…
人間は我々の幼い少女を奪うために、我々の明日を奪うために、
彼らのヒーローを送り込み、その行為を称賛している…
ついにわかったよ。彼らだ。
人類がミュータントに対して罪の意識を感じていないのは
彼らのヒーローが彼らを守っているからだ。
彼らの指導者はやるべき事を考えなければならない。
私はもはや我慢の限界だ、エマ。今すぐ変革する。
…アベンジャーズなど不要だ。」
サイクはそう言って、地面に落ちていたキャプテンアメリカの頭部装甲パーツを拾い、
そこに記されたAの文字をじっと見つめました。


長い…
今回訳してて、何かいつまで経っても終わらないなと感じていたのですが、
改めて見返してみると、今回の話って36ページもあるんですよね。
リーフってレギュラータイトルが20ページで、
今回のシリーズは何故かボリューム増で毎号22ページなのですが、
それと比べても明らかに今回の話は長いです。
新ユートピア編の開始ってことでページが増えたのかな?

さて、順にストーリーを追っていきますか。

まず新ユートピア。
マグさんも言ってますが、実に荘厳なデザイン。
天空に浮遊しているって辺りも規模がでかいですが、
全体的な作りも格好いいですね。
某漫画のフロート・テンプルもびっくりです。

そしてそこに訪れた教授。
最近誰も覚えてないぐらいの影の薄さですが、ここにきての再登場。
最強の力を手にしたサイクとのやり取りが心に残ります。
サイクはこの変革が、教授の夢を叶えたかったからだと公言します。
この数年で今までの信頼関係が崩れ去り、教授との仲も最悪だったサイクが
改めて今まで教わってきた夢の結果を見せたかったと言って教授を呼ぶんですよね。
しかしそれは自分が教えた夢ではないと諭す教授。
教授はこの後、タイイン誌であるNEW AVENGERS誌 #29で
イルミナティのメンバーから、X-MENの動きについて責を問われますが、
そこでサイクは自分の息子であるから、責めたくはないと皆に訴えるシーンもあります。
根底ではまだ繋がっていた師弟関係が悲しい結果になっていくのが想像できますね。

そしてフェニックスファイブの指揮の下、平和活動に従事するX-MEN。
この時点ではフェニックスの力を制御し、本当に平和を望んでいる事がうかがえます。
戦争の廃絶、飢餓の根絶、クリーンエネルギーの開発。
今の地球が本当に求めている事を行っています。
この行為に問題はありません。むしろ称賛を受けるべき行為です。
しかし人間はそれをよしとしません。それはアベンジャーズも同じこと。
ブラックパンサーが最後まで異を唱えますが、X-MENによる支配的な平和を望まない
アベンジャーズはフェニックスフォース解析の為、ホープを再度狙います。

ここでまた、この作品によって反感を感じるキャラが出てきました。
それはビースト。
サイクのミュータントを守るためには殺人すら厭わないという方針に異を唱え、
散々文句を言ってX-MENを出て言ったビースト。
今回はアベンジャーズの方針にも好き勝手文句を言って出ていきます。
「日に日に家と呼べる場所が無くなっていく」
と言い残して去っていきますが、家から自ら出て行っているのは常に自分から。
一体何がしたんでしょうかね。
文句だけ言って自分勝手に生きていく。実に嫌な感じです。

そしてホープ。
この子も今まで好き勝手やってきたので、今回の描写は少し鬱憤が晴れたというか。
サイクの「フェニックスの力が欲しいか。ほらやるぞ、ほらやるぞ…はい、おあずけ。」
のドSプレイはかなり気持ちよかった(笑)。
またホープちゃんがいい顔するし。

崑崙のやり取りは、今回の重要なストーリーの一部らしく、
ホープがフェニックスの力を扱えるようになるために、
アイアンフィストと共に訪れる話がサイドストーリーや、本編でもこの後で描かれます。
何か先代フェニックス継承者だったらしいフォンジィさんは、突然名前が出てきましたが、
今まで何か伏線なったのかな。少なくとも私は初見です。
ドラゴンフィストとかいうアイアンフィストの上位みたいな称号を持っているみたいですが。

そしてホープ奪還作戦。…っていうか強奪作戦。
サイクが私服から一瞬にしてコスチュームを纏うシーンは格好よかったです。
キャップとウルヴァリンを一瞬で吹き飛ばし、アイアンマンを念じただけで無力化、
ソーのハンマーを軽々と受けて反撃するとか、おそらくサイク誕生以来で間違いなく最強の描写。
おそらく今後数十年経っても、今回以上の描写はもうないと思いますので、
サイクファンは本作を必ず入手しておくように。

そして最後に現れたのが何もかもの元凶にして、反省という言葉を知らない最悪女、スカーレットウィッチ。
突然出てきて好き勝手言って、ホープを連れ去って行きました。
確かこのシリーズの前日談で、お前の居場所などないとヴィジョンに責められ、
泣きながらアベンジャーズを出て行ったはずなのですが、
私が救世主だとでも言わんばかりにアベンジャーズも連れて行く始末。
何事もなかったかのように、強気にアベンジャーズに参加するのでしょうかね。
サイクがこんな事になったてしまった根本の元凶も彼女なのですがね…

そして最後のサイクのセリフ。
一応訳しましたが、原文の方が良かったと思います。
「No more Avengers.」
言うまでもなく、あの魔女が放った元凶のセリフ「No more Mutants」にかかってます。
力を手にしたサイクが当初望んでいたもの。それは教授の夢を継ぎ、人類とミュータントが平和に暮らす世界。
しかしそれが音を立てて崩れていきます。ここまで尽くしても自分達を受け入れようとしない人間達。
彼らに対して憎しみの心を向けたサイク。その心を蝕むフェニックス。
彼の屈折した憎悪は人間…そして彼らを守護するアベンジャーズへと向けられたのです。
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この記事に対するコメント
 
ワンダさんピエトロ同様迷惑かけまくりですな。流石あの親にしてこの子供達ありw
マッコイさんはXメンバーながらもアヴェンジャーズ在籍も長いし、板挟み状態ですな(ローガンも同じはずだけど)
1人で抱え込むタイプだし、EndangeredSpecies辺りからずっと煮詰まっていますからね。よく闇堕ちしないもんだと思いますがダークビーストが既にいるからなのか。

力に酔ったサイクが見事に増長、迷走するアヴェンジャーズ、と良くある展開ですがクライムファイターレベルのアイアンフィストがまさかのキーマンとなる意外性はマーヴルらしいというか。
しかしこの先どういった流れであの微妙なメンツのUncannyAvengersとかに展開するのか私気になります!
【2012/09/02 23:07】 URL | サントス #- [編集]
 
>サントス様
ビーストって昔から人に悩みを打ち明けずに、
一人で愚痴ってる印象がありましたからね。
このままアベンジャーズは脱退して学園X-MEN専属になる気なんでしょうか。
好き勝手言って何の責任も取らずに喧嘩別れで出て行くっていう
ビーストのやり方はあまり好きではありません。

アイアンフィストは今回やけに出番が多いんですよね。
特に今までそんな設定など、なかったと思うのですが…

Uncanny AvengersはX-MENからUncannyを奪ってきたせいで
Uncanny X-MENが終了してしまったのですが、
ならば去年にわざわざリセットして#1からやり直した意味があったのかと。
ここら編も編集部の行き当たりばったり感が拭えませんね。
【2012/09/02 23:18】 URL | rise #r1y2oiqA [編集]
 
フォンジィさんに関してはNEW AVENGERS誌でのタイインで描かれてますよ
確かうたい文句がAvXで最も重要になるタイインとかそんな感じだったような

一応アイアンフィストさん、あれでも素手でゴジラっぽい巨大怪獣をぶん殴ったり
戦艦を手刀で真っ二つにしたりと「生身の人間が鍛えただけ」にしては異常な強さなので
もしかしたらその辺が絡んでくるのかも
【2012/09/04 03:04】 URL | とおりすがり #- [編集]
 
ドラゴンフィストって、ひょっとしてストリートファイターのリュウの昇龍拳?違いますよねー。

ビーストは、サイクロップスもアベンジャーズも明らかに間違っていて、説得が通じるとも思えず、
同調者を募ったり第三のチームを立ち上げるような事も出来そうに無いので
苦言を呈して身を引くしか出来る事がないのでしょうね。

他、サイク、ホープ、キャップへの愚痴を書き始めたら凄い量になってしまったのでやめておきます(汗)
本当に止まらないんですよ……。
【2012/09/04 21:55】 URL | 名無し #cUBCj3oc [編集]
 
ブラックバンサーさんが世界の良心過ぎて涙が出てきますな。

どうでもいいですが他の大物ヴィラン共の動きが一切見えないのが怖いですね。
【2012/09/04 22:36】 URL | 名無し #- [編集]
 
>とおりすがり様
でもやっぱりフォンジィさんって、
このストーリーからの新キャラですよね。
歴史上の人物みたいな設定で描かれてますけど。

中国はやっぱり気とかで精神を制御する
みたいなイメージがあるのかな。

>名無し様
フォンジィさんはどうみても適当に設定しただけ感が半端ないので、
とりあえず中国って言ったらドラゴンだろみたいな雑なネーミング
の可能性もありますね。最新話では本当に龍が出ていますが。

本当にビーストは今後どうしたいんでしょうね。
新シリーズで過去の初代X-MENがタイムワープしてくる話が
あるそうですが、過去の自分に今の姿(外見ではなく)を見せて
恥ずかしくないのか、気になるところです。

>名無し様
今回本当にどいつもこいつも、ロクデナシに描かれている中、
何故か株を上げ続けるブラックパンサー先生。
さすがゾンビだらけの世界でも生き残れるだけの事はあります。

ヴィランの方々はデッドプールさんと、
AとXのどっちが勝つのかギャンブルの真っ只中みたいですね。
【2012/09/04 23:14】 URL | rise #r1y2oiqA [編集]
 
いつもだったら、またドゥームがフェニぢからを盗もうとしたり、
レッドスカルがキューブを使ってどーのこーのとかやりそうですけど、
もうなんか世界の全ての悪は全部サイクみたいに集約されてるところが哀しいですね。

あとマグさんは、「いつまでも子どもと思っていた存在が、大人になって自分とは別個の存在となった」感は、ワンダとピエトロのクズブラザーズで学んでいるので、
教授にサイクとの関係をサジェストする下りはちょっとしんみりきます。
(チャールズ、彼は君の理想を実現しようとしている息子で、しかも大きな力を手に入れ、様々な経験をした一人前のミュータントの党首なんだよ)ってあたりが、自分の腐った親子関係とダブらせて、結構複雑なんじゃないかなあ。
理想の世界を作り上げて、それを見せたかったのが教授というあたりがもう色々感慨深いんですが、どう見ても、より強くたたき落とすために持ち上げてる最中なのが泣けてきます。

あとワンダのあのいいようは真剣に殺意覚えますね。
孤独感じるって、仲間をたった一言で種族滅亡に追い込んだ女がナニ抜かすのかと。
ワンダのあの一言が引き金になって、アベンジャーズ抹殺に走りました、ってサイクが法廷で証言したら、私は「情状酌量の余地あり」と断言しますよ。
【2012/09/10 23:05】 URL | ねこねこねこ #- [編集]
 
>ねこねこねこ様
サイクと教授のやり取りは、久しぶりにいい感じなんですけどね。
スキズムの時もそうでしたが、普段仲が悪い二人が急に仲良くなると
その後で大喧嘩が待ってるというのがお約束と分かってしまいましたから…

ワンダは本当に編集部も扱いに困ってるんじゃないかと思うぐらい、やりたい放題。
これでまだ世界中の敵になっていないというのが不思議です。
【2012/09/10 23:13】 URL | rise #r1y2oiqA [編集]

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