rise from dilapidation !!

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WORLD WAR HULK #3
【2011/05/14 02:03】 アメコミ原書翻訳
「予想通りです、ロス将軍。AVENGERSとFANTASTIC FOURが倒されました。」
双眼鏡で状況を確認しながら兵士の一人が将軍に報告しました。
「うむ。我々の出番だな。進軍開始。」
「イエッサー!」
しかし隣にいた兵士が将軍に異を唱えます。
「まだ一部の市民が残っているとの報告があります。
100名程が街に残り、ハルクをヒーローと称えているそうです。」
その言葉に将軍が静かに言いました。
「何も学ばん奴らよな。」
「…は?」
「数年ごとに同じ事を繰り返す。まだ前回の事を覚えておるわ。
あの時は確かハルクがUFOから地球を守ったのだったかな。
大統領がハルクに恩赦をお与えになった。
そこであの阿呆共は純正のアダマンチウムを10トンも使って、
あいつの彫像を建ておった。世界中が奴をヒーローだと称えたのだ。
しかしその数ヵ月後…奴はまた怪物に戻った。
奴はニューヨーク中を暴れ周り、
ドクター・ストレンジが抑えるまでに10億ドルの損害を出しおった。
民衆どもは奴に弁明の機会を与えた。そして儂も許した。」
そう言いながら将軍が指揮官用ヘリに乗り込みます。
「あいつはかつてブルース・バナーという男だった。
儂が知る中で最も聡明な科学者だ。そして儂の娘もあいつを愛しておった。
ハルクが愚行を犯しても、それはバナーの責任ではない。儂らはいつも言っていたよ。
アポカリプスが操っていた!
ドク・サムソンがついにハルクとバナーの分離に成功した!
またこんなことも言ったな。
彼が求めているのはただ一人になりたいだけなんだ!
そう。儂らは何度もあいつを許した。そしてどれだけの年月が経ったのだろうか。
儂の娘は死んだ。
そして奴は宇宙旅行から帰って来よった。宇宙人の仲間を引き連れてな。
その上、マンハッタンに勝手に避難勧告を出して、
この星の偉大なヒーロー共をブチ殺すとかのたまっとる。
自分の為に彫像を建ててくれた道化師共を殺すとな。
それでも君は儂に、馬鹿な民衆共があいつをヒーローだと褒め称えると報告するのか。
なるほど。ならば奴らに言ってやれ。
我々が新たに10トンのアダマンチウムを、お前達の英雄に寄贈するとな。
そしてそれを受け切れずに死に絶えるのを心から祈ってるとな!!」

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!!
その言葉と同時に無数のアダマンチウム製の弾幕がヘリからハルクに向けて撃ち放たれました。
シュウウウゥゥゥ………
ドガアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
同時に打ち込まれたミサイルが連続でハルクに直撃します。
「ぐをおおおおおおおおおっ!!!」
world_war_hulk_3-1.jpg

その3区域向こうでは。
「下がってください。」
「僕をよく見てくれ。リック・ジョーンズだ。
僕は他の誰よりもハルクと同じ時間を過ごしてきた。」
リックが兵達の制止を振り切ろうとしていました。
「爆撃じゃ彼を止められない。更に狂暴にするだけだ!」
「なりたいだけ狂暴になればいいさ。
もう奴は何も出来ないんだ…この拡散アダマンチウム弾が奴の骨から肉を削ぎ落とすからな!」
そう言う兵士に通信で指示が飛びます。
『第二防衛網の全部隊に告ぐ。攻撃開始。』
その通信と同時に兵士が拡散アダマンチウムバズーカを撃ちました。
無数に散らばった最強の金属がハルクに雨の様に襲い掛かります。

「何をやってんだい、ドクター・ストレンジ?」
少し離れた廃ビルでは、静かに魔法を唱えるストレンジにアイアンフィストが質問していました。
「殺害以外の方法で彼を止めなければ。
私の魔法は彼が心を開かなければ効果が無い、アイアンフィスト…
しかしロスの攻撃によって、彼の心のドアに隙間が生じた。今から彼の心に接触する…」

「ぐるぁあああああああっ!!!」
怒りの雄叫びを上げるハルクがヘリに向かって飛び上がりました。
そのままヘリを捻り潰します。
『戻ってくるんだ…ブルース。』
そこでハルクの頭にストレンジの声が響きました。
『話をしよう。』
空中でヘリを叩き潰していたハルクの動きが止まります。
「戦うのをやめた?…そのまま落ちていくぞ!」
指揮官用ヘリから将軍が不思議そうに状況を口にします。
ズガアアアアアアアアアンッ!!
ヘリと共にハルクが地上に激突しました。
しかしハルクが頭を上げると、そこは戦場ではなく、見慣れた土地でした。
どことなく惑星サカーにに似た風景。
「俺をどこに連れて来た、ストレンジ?」
ハルクがそう言う先には精神体のストレンジが彼を見下ろしています。
『その質問は違う。君が私をどこに連れてきたのかが正解だ。』
「ぐるぁあああっ!!」
しかしハルクの拳はストレンジをすり抜けます。
『ここは君の心の内面を描き出したものだ。
君の夢、君のルール、私に何を見せたい?ブルース。』
「その名前で呼ぶなっ!!」
眼下で一人暴れるハルクを見ながらヘリの中で兵士が将軍に報告します。
「彼は完全に正気を失ったようです、将軍。何も無いところを殴っています。」
「勝手にやらせておけ。」
その間にも、戦車と攻撃ヘリが絶え間なくハルクに攻撃をし続けます。
銃弾を浴びながらハルクが片腕を上げました。
ハルクの心の中の世界では、その手にはストレンジの胸元が握り込まれています。
「俺の頭から出て行け…さもないと貴様を引きちぎるぞ!!」
『話を聞くんだ、ブルース…君の怒りなど私には何の意味も為さない!!』
ストレンジの精神体が一気に巨大化し、ハルクの腕を振りほどきました。
『私はソーサラー・スプリーム(究極の魔術師)だぞ。
私が指を鳴らすだけで、君の風前の灯の命の炎を吹き消す事だって出来るのだ!!
…しかし私は君の友人だ。』
ストレンジの身体がまた元の大きさに戻ります。
『君の助けになりたいんだ、ブルース。君の本当の姿を見せてくれ。』
「その言葉は…その言葉は彼女が僕に言った言葉だ。」
そう言うハルクの姿は、いつの間にかブルースの姿に戻っていました。
『教えてくれないか。』
ブルースが幸せだったあの頃を思い出しながら、ポツリポツリと話し始めます。
「彼女の名前は…カイエラといった…いつも彼女の声が聞こえていた…」
その時、二人の耳に女性の声が聞こえました。
「ここがそなたの居場所ぞ。お前の民と共に…お前の妻と共に…そしてお前の子と共に…」
そこにいたのは愛に包まれたハルクとカイエラの二人。
ブルースの記憶が作ったあの頃の思い出。
「カイエラ!」
傷だらけのブルースが幻影の妻の名前を呼びます。
「…我が夫よ。」
[警告:ワープ装置ニ異常発生]
しかしそこに突如響く警告音。そして…
ドガアアアアアアアアアアンッ!!
world_war_hulk_3-2.jpg荒廃した記憶の大地で弱々しく跪いた
ブルースにストレンジが話しかけました。
『ブルース…私はトニーやリードや
ブラックボルトと共に、
君が地球にとって危険だと判断した。
そして彼らに、君をシャトルに閉じ込めて
宇宙に放り出そうと提言した。
でも君ももう知っているのだろう?
我々は君の星の爆発には関与していないし、
君の大事な…』
「もうどこかに行ってくれ…」
『ブルース。
我々はお互いの事を知り尽くした仲だろう?
今までどれだけ共に戦ってきた?私を見てくれ。
そして私の言っている事が
嘘かどうか確かめてくれ。』
「あぁ…ステファン…」
『私はいつだって君の友だった。
そしてこれからも君の友だ。
さあ、ロスが君の身体を破壊してしまう前に、
現実世界に帰ろう。』
そう言ってストレンジが差し出した手を、
ブルースが固く握ります。
「…ぐっ」
『大丈夫か、ブルース。私が連れて行こう。』
「あぁ…そして…俺がお前を…」
『…そ…そんな…』
ストレンジの腕を掴んだまま、ブルースの身体が変異していきます。
バキバキッ!!!
「ぐわあああああああああっ!!!!」
自室にいた本体のストレンジが悲鳴を上げました。
「どうした、ストレンジ!?」
アイアンフィスト達が駆けつけます。
ストレンジの手は完全に折られ、血まみれになっていました。
「ブルース…私は君を助けようと…」
『もう十分だっ!!』

「もういい加減に終わらせろ!!」
現実世界では、いまだにヘリと戦車部隊がハルクに銃撃を続けていました。
しかしそれでも倒れないハルクに将軍が苛立ちをぶつけます。
「あとほんの一息です、将軍。
あの宇宙人どもが作ったシールドも、もう少しで破壊できると思います。」
銃弾の中で戦闘の意思を示さなくなったハルクを、ウォーバウンドが必死に守っていました。
「ハルク、早く目を覚まして下さい!!」
「もう大丈夫だ、コーグ…」
ヒロイムがそう言います。
「帰ってきたようだ。」
シールドをぶち破って、中からハルクが飛び出しました。
ズガアアアアンッ!!
ガガッガッガガガガガッ!
ズズズズズズズゥゥゥゥン…
そしてあっという間に地上の戦車部隊を壊滅させます。
ハルクはそのまま沈黙した戦車の砲身をへし折り、ヘリに向かって投げつけました。
次々に撃ち落とされ、地上に落下していく戦闘ヘリ。
ダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!
歩兵部隊がハルクに銃弾を浴びせます。
ハルクはそれを意にも介さず、
バアアアアアアアアアアアンッ!!!!
大きく手を叩きました。
その衝撃で歩兵部隊も一瞬にして全滅します。
world_war_hulk_3-3.jpgズガガガガガガガガガガガガガッ!!
ハルクをまだ銃弾が襲います。
「ハルクッ!!!」
それはヘリに乗ったロス将軍でした。
「いつになったらお前は死んでくれる!?」
「その身で確かめろ!!」
そう言ってハルクが
将軍めがけて飛び上がりました。
「ああ、そうだな。
この狂った…化物めっ!!!」
ハルクが将軍を掴み、
ヘリから振り落とします。
そのまま掴みあって地上に落下していく二人。
「そうだ!気が済むまで破壊し尽くすがいい!!
我々は何度でも貴様を狙い続ける…
貴様を殺すその日までな!!」
バンッ!
将軍の拳銃がハルクに命中しました。
ズガアアアアアアアアアアアアアン!!!
そして二人は大地に激突しました。

「報告を聞こうか、ヒル長官。」
ホワイトハウスでは大統領がS.H.I.E.L.D.の長官であるヒルを呼んでいました。
「ロスがやられました。我々にはもう残り一つしか対抗手段がありません。」
「核か?」
「いいえ。そんなものを使えば、かえってハルクを強くするだけだと、
国中の科学者が揃って言うでしょう。今こそ、より強き力に訴えるべき時です。
ここに台本がありますので、演説をお願いいたします。
お忘れにならないで下さい。
セントリーこそがこの星で最も強いスーパーヒーローなのです。
ただし彼は統合失調症の上、公衆の面前に出るのを恐れています。
彼はこの世界を恐れています。そして自分自身を恐れています。
ですから我々が求めている事は正しいことであると、彼に確信を持たせなければなりません。」

沈みかけた夕日を背に、セントリーはまだ自分の家で座り込んでいました。
依然として彼が動く気配はありません。そこに電話が鳴りました。
留守番電話にセントリーを呼ぶ声が聞こえます。
『レイノルド君。私は合衆国大統領だ。君に仕事を与えよう。
ヒーロー達が君の助けを待っている。
彼らは君の友達だ。そして君を信じている。私と同じようにね。
…さあ!今こそ羽ばたきたまえ!!』
セントリーがゆっくりと立ち上がりました。
しかし黙って夕日を見つめたまま、その場から動こうとしません。
『……まだそこにいるのかね?……おい、どうすればいい?』
『もう少しお待ち下さい、大統領。今、担当者が次の台本を持ってきますので。』
『…やっとれんな。』
『大統領。』
『もういい。レイノルド、聞いてくれ。この高飛車女は君の事を馬鹿にしとる。』
『大統領!』
『しかしそれでも君がヒーローであると言っておった。
君は為すべき事を為し、この狂気の事件を終わらせてくれ。
さあ、行くんだ!!』
通信を切って、大統領が窓から外を眺めました。
「我々はクズだな。」

マディソン・スクエア・ガーデン。
その屋上ではロス将軍達が捕らえられ、ハルクの部下達によって拘束されていました。
"ぶち壊せぇっ!!!!!"
アリーナの中から人々の声が響いてきます。
「何だ、あの声は?」
将軍の質問にハルクの部下が答えました。
「人間よ、お前は知らない方がいい。」
"引き裂けぇっ!!!!"
ハルクが屋上に出来た裂け目から内部を覗いていました。
「レッド・キングのアリーナ程、大きくない様ですな。」
コーグがハルクにそう言うと、
「問題ない。」
ハルクが短く答えました。
「奴らは我らの世界を破壊しました。これから受ける責め苦も当然の報いです。
しかし……もうこれで終わりにしましょう。
この星の住民は奴らが我々にした事を知りました。今や奴らこそがモンスター扱いです。
我らが立ち去ろうが、奴らはもう…」
コーグの意見を聞きながら、ハルクが天井部分を剥がし、裂け目を広げました。
アリーナの中にいた群衆がハルクに気づきます。
「俺達は準備完了だぜ!!」
<やっちまえ!ハルク!!>と書かれた横断幕を手に、群衆が叫びます。
"イエエエェイ!!"
"ウオオオオオォ!!"
"いけーっ!ハルク!!"
"ハルク万歳~っ!!!"
"さあっ!ショーを見せてくれっ!!!"
熱気に駆られた群集が次々にハルクの名を呼びます。
「この声を聞いたか、コーグ。彼らは理解しているのだ。
奴らの償いには決して終わりが無いと。」

そしてマディソン・スクエア・ガーデンから数マイル離れた郊外では。
「ストレンジ。僕だ。リック・ジョーンズだ!」
古い雑居ビルの閉鎖したカフェの前でリックが叫んでいました。
「とんだ嘘つき野郎ね。」
そこに女性の声がします。
「うぁっ!エローエか!?…また会えて嬉しいよ。」
リックを掴むエローエの後ろにはヒロイムと、ハルクの雑兵が数人立っていました。
「昨日は自分がハルクの親友だと言っておきながら、今日は魔術師に警告しに来たの?」
「魔術師って何の事だい?ここはただのカフェだよ。君も知ってるだろ、コーヒー。
ほら朝にドーナツを食べながら飲む…」
「ヒロイム、この人間の言っている言葉の意味、わかる?」
しかしヒロイムはエローエの質問に返事もせず、カフェの入り口を睨みます。
そこはどう見ても寂れたカフェの入り口。
しかし彼が手をかざすと、隠された真の入り口が姿を現しました。
「この魔法は随分と強力だな…しかしこのシャドウエルダー(影の長老)の前では、
この様なまやかしなど意味を成さぬ。」
彼がそう言い終わると、扉が開きました。そして次の瞬間、
「邪魔して悪いが…こいつはまやかしなんかじゃないぜ!!」
中からアイアンフィスト、ローニン、エコーが戦闘態勢で出てきました。
「俺はでかいのをやる。ローニン…あなたとエコーは女の方を頼んだ!」
「警告しておこう、人間よ。お前ではこの影の…ぐわぁっ!」
アイアンフィストの予想以上の強烈な攻撃に、ヒロイムが顔をしかめます。
「お前も、あの禿ポニーテールの悲鳴なんて聞いたこと無いだろう?
さっさと降参しろよ!」
そう言ってローニンが斬りかかりますが、
「ふんっ。」
エローエの軽い一撃で、彼の刀は折れてしまいました。
そしてそのままエコーの二刀流を両手で掴みます。
「少し考えてみたけど……やっぱり駄目ね。」
パキンッ
エコーの刀も簡単にへし折られます。そして、
「ぐわああああああっ!」
雑兵の持っている槍から青い炎が巻き起こり、二人の身体を包みました。
倒れこむ二人を横目に、ヒロイムがアイアンフィストに問い掛けます。
「わが名はヒロイム。古の強者なり。人間よ、お前の名前を聞こう。」
「俺は…アイアンフィストだ。」
「ではお前のために祈ろう、アイアンフィストよ。今これから死に行く者の為に。」
world_war_hulk_3-4.jpgその言葉と同時に、
アイアンフィストが殴り飛ばされました。
その衝撃でストレンジの屋敷に
通じるドアが粉砕されます。
そしてついにヒロイムが
その中に足を踏み入れました。
「聞こえているのだろう、ストレンジ。
お前は隠れているつもりらしいが、
お前の魔法など無駄だ。
これ以上時間を取らせるな。
さっさと出てきて終わりにしようではないか。」
そして奥に進もうとするヒロイムに
エローエが話しかけました。
意識を失ったアイアンフィストを
抱えた雑兵が奥から戻ってきます。
「あなたはここで待ってて。
私はこの人間達をアリーナに連行するわ。」
リックがエローエに嘆願します。
「待ってくれ、エローエ。
他にまだ方法があるはずだ。こんな手段を…」
その時、
「ぐわあああああっ!!」
外から悲鳴が聞こえました。
雑兵がアイアンフィスト達に、
何かの装置を取り付けています。
「彼らに何をした!?」
リックの問いにヒロイムが答えました。
「服従のディスクを埋め込んだのだ。我々がサカーの剣闘士育成所でやられたようにな。」
「ヒロイム…君は自分の事をプリースト(司祭)だと言ったね。
ならわかってるんだろう?こんなやり方は間違っていると。」
「その通りだ、リック・ジョーンズ。
いつの日か我々ウォーバウンドも、この怒りに任せた蛮行の報いを受けるだろう。
しかし…今は君達に受けさせるのが先だ。」
そう言ってヒロイムがストレンジの魔法を解除し、最深部への通路に進み始めました。
「ぐわああああああっ!」
屋敷の奥にいたストレンジが悲鳴を上げます。
「ドクター!私にその傷ついた手を診せて下さい。」
横にいたウォンがストレンジを気遣います。
「もう時間が無いのだ、ウォン。シャドウプリーストの声が聞こえた。
奴は我々の身を隠す魔法を打ち破った。もうこの手では…奴を止める事は出来ん。
ブルース…お前は本当に我らを皆殺しにしたいのか…?」
「違います。あなたはバナーを知っているではありませんか。彼はそんな…」
「ウォンよ。お前はあいつの顔を見ていない。
あいつの怒りに触れていない。だからそんな事を言えるのだ。
あんな今まで見たことも感じたことも無い……ウォンよ。時が来たようだ。
それを私に持ってきてくれ。」
「断ります。」
「やらねばならんのだ。その箱を私に渡してくれ。」
ストレンジに気圧され、ウォンが彼の指した場所にある箱を持ってきました。
その間にもヒロイムが刻一刻と近づいてきます。
「ドクター、壁が…」
部屋が異様な歪みを始めました。
「シャドウプリーストが来たのだ。君も逃げるんだ。
出来るだけ速く、出来るだけ遠くへ。」
「いえ、私は…」
「私が今から何をするのか、わかっているだろう、ウォンよ。
もしここに残れば、シャドウプリースなど比較にならぬ程の脅威が君に襲い掛かるぞ。」
そう言うとストレンジは目の前にある箱を開けて、中に入っていた小瓶を取り出しました。
「永遠の中にある…ラッガドールの指輪によって…冥界で彷徨えし…ZOMよ…もう一度その命を…」
そう言ってストレンジが小瓶の中に入っていた液体を飲み干します。
「死せし者には…死を。」
その言葉と同時に、ヒロイムがついにストレンジの部屋に入ってきました。

マディソン・スクエア・ガーデンでは。
「ブルース…なんでこんな事に…」
アリーナの中央で鉄材で出来た椅子に腰掛けるハルクの前に、リックが立っていました。
「黙れ、人間。」
後ろからエローエがリックを制します。
「貴様はグリーン・スカーの敵に警告に行こうとした。その報いを受けよ。」
しかしリックはエローエの言葉を無視して、ハルクに語りかけます。
「正気に戻るんだ、ブルース。剣闘士の戦いだって?狂ってる!!」
その言葉にミークが言い返します。
「狂ってるのはどっちだ。この星で生まれた最も偉大なヒーローを宇宙に捨て去った癖に。」
「君はわかって無いんだ、ミーク。あの時のハルクは自分をコントロールできなくなっていた。
彼らはハルクの友達だぞ。彼らだってハルクを救おうとしたんだ。」
ミークがリックの胸倉を掴み、顔を近づけます。
「宇宙船が爆発したのだぞ。
何百万もの民が、女王が、そして子供が死んだ。
貴様はそれを「救い」と呼ぶのか?」
しかしリックはミークの脅しにも全く屈さず、彼を睨み返します。
「君達は自分達の事をハルクの友だと言うが、このままではハルクを地獄に直行させるだけだ。」
「まずはお前に地獄を見せてやるよ。」
「そうかい。正体を見せたな、この怪物め。ヒーローが地獄なんか見せるものか。
ヒーローとは正義を求めるものだ。復讐なんかじゃない!!」
しかしリックの必死の言葉にもハルクは反応せず、ただ空ろな瞳で前を見ています。
world_war_hulk_3-5.jpg「愚かな人間だ。
お前は正義なんてものをまだ信じてるのか。
レッドキングは我が父と兄弟を殺した。
スパイクスは我が種族の女王を殺した。
そしてお前達のヒーローの爆弾は
王都を壊滅させた。
失われた命はもう戻ってこない。
我らを困惑させようとしても無駄だ。
奴らには死の償いを。
奴らは破壊しか生まない。
我等はやられた事をやり返すだけだ。
それこそが俺がグリーン・スカーに
従ってきた理由だ。
彼こそは世界の破壊者よ。」
そしてミークの手がリックに向かって伸びてきました。
「さあ、来い。卑小なる人間よ。
終わりの時だ。そして…」
ズダアアアアアアアン!!
その時、突如空から傷だらけの
ヒロイムが落ちてきました。
「まだ終わりではない……
お前はこのストレンジが叩き潰す!!」
そこに現れたのはZOMの力をその身に宿した
ドクター・ストレンジでした。


順番に振り返って見ますか。
まずはロス将軍。
彼の部隊とハルクとの戦いが今回の3割ぐらいを占めています。
全戦力を投入するも全く歯が立たず、捕らえられてしまう将軍達。
「いつになったらお前は死んでくれる!?」
これは何年も何年も戦い続けてきたロス将軍の心の叫びなんでしょうね。
しかしMarvelの世界では、アダマンチウムは結構ありふれてるみたいですね。
公園に彫像を建てるのに10トンも使えるとは。
ところでハルクがUFOから世界を救ったというストーリー。
残念ながら私は知らないので、詳細な質問はご遠慮下さい(汗)

次はストレンジ。
飴と鞭を使い分けてブルースを人間状態に一度は戻すものの、
あっさりと返り討ちに会って両手を複雑骨折してしまいました。
まあ、あれだけ上から目線で話しかけてりゃ、心は開いてくれないでしょうね。
何でここまでストレンジを愚者っぽく描いてるのか不思議です。
明らかにイルミナティの中でも、一番腹黒っぽい感じがするんですが。
ところで今回の話に出てきたZOM。
元はストレンジの話に出てきた化物で両手が炎に包まれてるそうなんですが、
残念ながら私はよく知らないので、詳細な質問はご遠慮下さい(汗)
↑今回こればっかですね…
取り合えず一番最後でストレンジの両手が燃えてるのは、それが理由だと思います。

そして今回の主役とも言えるリック。
彼だけが唯一、正常な理性を持ったヒーローって感じですね。
特に強い能力も無いのに一番ヒーローっぽいという所が何とも言えない皮肉ですが。
最後までハルクの身を案じ、そして仲間のことも気遣う。
捕らえられても決して退かず、真正面を見続けるその姿は熱いものを感じます。

今回意外だったのはウォーバウンド。
ミークは悪の小者臭が漂いまくってますが、ヒロイムとコーグに関しては、
今回自分達が行っていることが間違っていると認識しているんですよね。
その上でハルクの怒りを理解し、彼に付き従う。
今回の話は様々な人物の思いが交錯し、ずれていく事で悲劇が生まれているのですが、
あの二人が何とか、もう少し強くハルクの説得に回れば異なる結果が生まれていたのかもしれません。

最後にヒルさん。
相変わらず偉そうですが大統領に無視られてました。まあいい薬です。

こんな感じで次回に続きます。
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この記事に対するコメント
 
自分もアダマンチウム多すぎね?とか思いました。
ボールドウィンが最後に収監されたトコも総アダマンチウムでしたし。
ブルースも一度も表に出ることは無かったのに、ハルクと同じようにカイエラを愛していて
普段憎んでるハルクと一心同体なところが泣けます。
セントリーは前回のスーの呼びかけにも無表情だったし、
変身後はこいつ傲岸不遜になる割にはメンタル的な強さは変わらないんですかね・・・
地球人が即死する環境の星の選りすぐりの戦士は地球人の一般人が鍛えた程度のは
もう少しも相手にならないんですね・・・刀ポキとか
ミークが煽りまくったことを言いまくってるのは明らかに伏線なんですね
こいつだけは言動が他のウォーバウンドと違いすぎて。
ストレンジも、イルミナティの中じゃ裏があまり無い方で一番善人だと思ってたんですがうーん・・・
【2011/05/14 03:05】 URL |   #- [編集]
 
確か特殊能力を持った犯罪者を閉じ込めておく檻も
総アダマンチウム張りでしたっけ
確かイニシアチブか何かでアダマンチウムを使った兵器は国際条約で禁止されて~
とか言ってた覚えがあるので
アダマンチウムを作ろうと思えば作れるけど使えないだけかも
【2011/05/14 03:29】 URL | とおりすがり #- [編集]
 
>名無し様
ハルクとしてではなくブルースとしても彼らを許せなかったんでしょうね。
それがストレンジの誤算であり、逆にそれに気づいたからこそ
もはや強攻策で打ち倒すしかないと踏み切る事になったのかもしれません。
しかしそれでもストレンジはあれだけ他の策がある筈だと言っておきながら
最後は力任せだもんなぁ。

ローニンとエコーはあまりにも不甲斐ない結果に終わりましたね。
普段見かけないキャラなんで、本当は強いのかどうかすらわかりませんでした。

ミークは最終巻に向けた伏線でしょうか。
確かに明らかに一人だけ雰囲気が違いますよね。
逆に言うとヒロイムとコーグは紳士な方々でした。

>とおりすがり様
アダマンチウムって何らかの合成金属なんでしょうかね。
それなら作ろうと思えばいくらでも作れますが。
ビブラニウムみたいな稀少天然金属だと思い込んでたので驚きでした。
【2011/05/14 07:32】 URL | rise #r1y2oiqA [編集]
 
>アダマンチウムって何らかの合成金属なんでしょうかね。
「鋼に似た破壊不可能な合成物ヴィブラニウムを再現する過程で戦後に誕生した」と『ウルヴァリン・パーフェクトガイド』で読みました。

もっともヴィブラニウム自体はワカンダや南極から採掘される金属であり合金ではないので、文中の「鋼に似た破壊不可能な合成物ヴィブラニウム」というのは『キャプテンアメリカのシールド』の事だと思われますが。


多分そういう事なんじゃないかと。


【2011/05/14 17:49】 URL | オレンジフード #5tpBcxeQ [編集]
 
アダマンチウム合金は精錬するのに技術やコストが相当にかかるので殆どが自営業でやってるヒーロー側の装備としては圧倒的に少ないですよね。ロス将軍は国家予算使い放題だ!税金ドロボー!とおりすがりさんのコメントにもあった設定もヒーロー側に無敵武器を濫用させない良い足枷ですね。一方ヴィランはウルトロンみたいな全身総アダマンチウム豪華仕様からハイテク組織AIMとかで買えばB級ヴィランでも装備できる事もしばしば。それを知恵と勇気で倒すヒーロー、王道ですね。素晴らしい。
またヴィブラニウムといえばブラックパンサーのバックボーンとなるレアメタル。これを廻ってパンサーとB級ヴィランのクロウが誕生。そしてクロウのソリッドサウンド機能を自分の能力増福に使っているのがデスぺラードヒロインなサンダーボルツのソングバードと、一つのアイテムからでもどんどん話がつながっていくのがマーヴルユニバースの魅力の一つですね。楽しい。
ウォーバウンドのコーグはソーのオリジンに登場した記念すべきヴィラン「土星人」の侵略部隊に縁のある人らしい。ちょっとやりすぎかも。
【2011/05/15 00:19】 URL | サントス #- [編集]
 
>オレンジフード様
成程。要するに人工真珠や人工ダイヤみたいなもんで、
作成技術だけに関して言えば、
希少価値もなければ困難でも無いって感じですね。

>サントス様
彫像製作で10トン使えるのに、ヒーロー達は基本装備品にしてませんものね。
まあ今作でハルクが、その自分の彫像を投げまわしてる回想シーンがありましたが。

「土星人」って、あの緑色の頭が縦長な人達ですか?
あいつらの顔は不気味で仕方ないです。
【2011/05/15 00:34】 URL | rise #r1y2oiqA [編集]
因みにキャップのシールドが合金なのは『マーヴルクロス』3号収録のキャップの話、ヴィブラニウム製だという事は『ヒーローズリターン』期のキャップ誌で2年位ネタにされていましたね。

riseさんは以前の日記で「最強のアダマンチウムでコーティング」と書かれておられましたが、80年代のキャップ誌ではそういう記述があったのも事実ですが、現行設定では「シールドの材質自体がアダマンチウムの原型」という認識でいいと思います。

あと純ヴィブラニウム製のシールドはUSエージェントが装備している事で知られていますが、過去にアダマンチウム製の武器で破壊された事例があるそうです。

なので強度的には

偶然生成されたヴィブラニウム合金(キャップの盾)>アダマンチウム>ヴィブラニウム

という事になるそうです。

…ただ南極産のヴィブラニウムはアダマンチウムの破壊が可能な特別製で、ピム博士がウルトロンを倒す際に利用した事例があります。


以上、知りうる範囲での補足でした。
【2011/05/15 02:31】 URL | オレンジフード #5tpBcxeQ [編集]
 
>ハルクが自分の彫像を投げまわしてる回想シーン

DC vs. MARVELでハルクがスーパーマンの像を武器に使ってたコマがありましたが
(あれを食らった人、生きてたのが凄いですね)
そのシーンが元ネタだったのでしょうか?
【2011/05/15 04:42】 URL | 名無し #NYrh2GMg [編集]
 
あと、キャップの盾は「アダマンチウムとヴィブラニウムの合金」という記述を見た事があります。
(データイーストのアクションゲーム「キャプテン・アメリカ&アベンジャーズ」のデモ画面ですけど)

なので、アダマンチウムとヴィブラニウムというそれぞれ強固な物質があり、
そのふたつの合金で作られた最強の強度を持つ物体はキャップの盾だけ
……と考えていました。
「アダマンチウムとヴィブラニウムの合金」というややこしい表記ではなく
「キャップシールド合金」みたいに独自の名前があれば分かり易いのに、と思っていたのですが
この解釈で良かったのでしょうか……
【2011/05/15 05:30】 URL | 名無し #NYrh2GMg [編集]
 
>オレンジフード様
ご説明ありがとうございます。
しかし南極産のヴィブラニウムの特別製って何なんですかね。
限界まで精錬すると強度って変わるのかな。

>名無し様
元ネタなのか、たまたな似たような発想をしてしまったのか。
パワー系が辺りにある物を振り回すのは昔からよくありますが、
意図したのかどうかは分かりませんね。
でもアメコミはオマージュっていうか露骨なパロディが結構あるからなぁ。

あとアメコミって後出しで基本設定もガンガン変えていくから、
当時は○○でも今は××って事が多すぎて、正解が無いような気がするんですよね。
だからキャップのシールドの設定も、数年後にはまた変わってる気がします。
【2011/05/15 16:31】 URL | rise #r1y2oiqA [編集]
 
>当時は○○でも今は××って事が多すぎて、正解が無いような気がするんですよね。
いや全くです。おかげで去年初めて同人誌作った時は、キャップの盾の材質の件で上記の「アダマンチウムとヴィブラニウムの合金」と書いて赤っ恥をかきました(汗)

>南極産のヴィブラニウムの特別製
邦訳『ニューアベンジャーズ:ブレイクアウト』付属の解説書によると「特殊な振動派を発してあらゆる金属の分子結合を断ち切り液化させる特性」を持っているそうです(だからアダマンチウム製のウルトロンを破壊できた訳で)

逆にワカンダ産のヴィブラニウムは「あらゆる振動を吸収して硬化する」特性を持っているそうで、そう考えると「この2つは本当に同じヴィブラニウムなのか?」と考えてしまいますね(多分元素的に同一なのでしょうが)
【2011/05/15 16:44】 URL | オレンジフード #5tpBcxeQ [編集]
 
>オレンジフード様
何か吸収したり発したりと不思議な金属ですね。
これもいまや本当は何なのかMarvel社側も把握できていないのかもしれませんね。
【2011/05/15 18:24】 URL | rise #r1y2oiqA [編集]

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