rise from dilapidation !!

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    サイクロップスが大好きな
    アメコミファン。
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X-MEN SECOND COMING #2
【2011/04/24 23:01】 アメコミ原書翻訳
SECOND COMING #14

second_coming-2-1.jpg「それはまるで夢のようだった。
現実感は無いのに真実である。
おそらく彼女によって
大きく揺さぶられた彼らの感情が
反響しあったのであろう。
恐怖と安堵。トラウマと畏怖。
ここまで純粋な感情は
普段の生活ではそう感じる事は無い。
しかしそれ以上に郷愁の波が
襲ってきたのだと私は考える。
それはどこか私の夢に似ているのだ。
そう、夢。
しかしその夢も覚める。
あの子がまた少女に戻っていく。」
教授が上空のヘリから見つめる中、
ホープが倒れこみます。
「大丈夫か。」
ウルヴァリンとコロッサスが
その身体を支えようとしますが、
ホープはそれを振り払って
ケーブルの左腕にすり寄ります。
「ネイサン……」
そして彼女はそのまま意識を失いました。
「少女に戻っていく。父を失った少女に…」

「用意はいいかね?」
「やってくれ。」
「3…」
誰かの声でホープは目を覚ましました。
ぼやける視界の中で器具に固定されたコロッサスにビーストがカウントを唱えています。
「2…1…」
「ぐわああああああああっ!!!」
「何…?」
それはビーストがコロッサスの腕を治療している光景でした。
「ふむ…あの子が目を覚ましたようだ。
さて、2万5千ポンドもある骨が固定出来たぞ。
少し向こうを見てくるが、いいかな?」
コロッサスにそう言って、ビーストがホープの前に歩いてきました。
そして彼女の目にライトを当てます。
「私の顔を見て。」
「どのくらい気を失ってたの?」
「大体30時間ほどかな。すまんが正確な時間はわからん。
…ふむ、特に問題は無いようだ。もう少ししたらまた診に来るよ。」
そう言うと彼はアークエンジェルの翼を診ているネメシスの方に走っていきました。
「どうかね、ネメシス?」
「この翼からはコロッサスの肌と同様に生体組織としての反応が無い。
私が想像するに、この不気味な形態では通常時よりも回復は遅いんじゃないのかね。」
「そうか…」
その隣ではアイスマンがラオ博士に自分の状態を聞いています。
「どうですか、先生?」
「大丈夫よ。あなたの氷で出来た肌が、
まるでギプスみたいに筋肉の治癒を手助けしてるわ。
あなたの裂傷はすぐ治るわね。」
そしてさらにその隣では。
「冗談でしょ?」
「何が?」
「最新式の格好いい奴を作ってくれるって言ってたじゃない!」
片脚を失ったカルマが、義足を製作したジェフリーズに文句を言っていました。
「こいつはまさに最新鋭さ。俺が保証する。
どんな凄い自動制御義足を付けてる奴でも、これを見たら即嫉妬するぜ。」
「あなたって変な人ね。」
「君以外の女性にも変人だと言われてるよ。」
医務室のあちこちで交わされる怪我人と医者のやり取りを
眺めていたホープに、後ろから声をかける人物がいます。
「一週間もかからなかったな。」
それはベッドに横たわったマグニートーでした。
「エリック…何の事を言ってるの?」
「ここで最初に君と出会った時、我々を救済してくれる為に
来たのだろうと言ったら、君は数週間待ってくれと言っていたからな。」
「あれは冗談で言ったのよ。」
「しかし冗談は真実となった。
まるで玩具の如く、バスチオンを完膚なきまでに叩き潰したそうじゃないか。」
「私…自分が何をしたか覚えてないの…
いけなかったのかな?みんなは私の事を危険だと思ってないかな?」
「何言ってんだ。誰がそんな風に考えるものかよ。」
横からそう言って話に割り込んできたのは両手を失ったヘリオンです。
「俺を見りゃわかるだろ。
ところでどこかにいいウォシュレット付きのトイレは無いのかよ。」
「少年。」
「何だよ?」
「向こうに行きたまえ。」
「…わかったよ。」
空気の読めないヘリオンを一喝すると、マグニートーがホープに話しかけます。
「今は休息が必要だ。話はそれからでもいいだろう。
それから自分の事をそんなに深刻に悩まなくても良い。
人から危険と思われるのは、時には便利なこともあるからな。」

話はまだホープがケーブルと荒廃した未来世界にいた頃に遡ります。
二人によって築き上げられた死体の山を歩きながらホープがケーブルに話しかけました。
「あいつは倒したじゃない。これで最後だと思いたいわ。
待ち伏せ…。あなたがドアに近づいた途端、奴らがドアを開けた。」
「そうだな。次からは窓にも注意しよう。…いい働きだったぞ、レッド。
こいつらから武器と水を奪っとけ。どちらももう残り少ない。」
そして彼らは無言で死体を漁ります。
夜になって、焚き木を囲いながらケーブルが話しかけました。
「ホープ。何を考えている。」
「え?…何も。ただ疲れたなって。」
「違うんじゃないか。はっきり言えばいい。
あいつらがまだ俺達を追ってないか気になるんだろう?」
「そんなことないわ。
ただ…あなた今日、あのレールガンが向けられた時、
もう少しで死ぬとこだったじゃない。
あと0.5秒遅れてたら…あなたは真っ二つになってた。」
「俺はそんなへまはしない。あんな雑魚にやられるわけ無いだろ。」
「でも頭から離れないの。」
「何がだ?」
「私がこの砂漠を…もしくは別の砂漠をたった一人で戻ってる姿…」
ケーブルが笑って言います。
「そんな事は起きやしないさ。俺を簡単に殺すなよ。」

second_coming-2-2.jpg現在。
墓地の周りにX-MEN達が集合していました。
皆、沈痛な面持ちです。
「ネイサン…我が息子よ…」
そう言ってケーブルの墓で泣き崩れるサイク。
皆ただ黙ってそれを見つめています。
やがてホープが
誰に言うでもなく話し始めました。
「ネイサン・クリストファー・サマーズは
戦いの中で生まれ、
その一生を戦いの中で過ごした。
睡眠は10分にも満たなかったし、
いつも壁を背にして食事をしていた。
そして周囲が安全になるまで
決して座らなかった。
私の言いたい事は、
皆がわかってると思う。
彼は真の兵士だった。
最期の欠片になるまで彼は兵士だった。
彼は友を求めていた。
友に3つの条件を求めていた。
それは友を愛し信じる事が出来る。
そして友と一緒に戦える。
…そして友のために死ねる。
私の父はその願い全てを全うして死んでいった。だから彼の為に泣かないで。
…誰も…誰もネイサン・サマーズの為に泣く必要なんか無いの…」

ユートピアの岸壁に座り込むホープ。
それを少し遠くから、新世代のミュータント達が眺めていました。
「誰か彼女の傍にいてあげた方がいいんじゃない?」
「でも何て声をかけるのよ?そもそもどうやって声をかけるのよ?」
プロデジーが言いました。
「言葉なんか重要じゃないさ。」
「どういう意味?」
「彼女が何をしたか君達も見ただろ?
彼女の能力が一体どういうものなのか見たんだろ。
僕達が出来る事は全て彼女も出来る。
彼女は言うならミュータント種族のヴードゥードール(身代わり人形)みたいなものさ。
彼女は僕達なんだ。僕達全てなんだ。
彼女に何か声をかけたいだって?
それなら既に君の気持ちは彼女に届いてるよ。」

墓地に残ったローグにサイクが近づいていきました。
「スコット、本当に今話す事なの?今日この時に。」
サイクが答えます。
「何か駄目な理由があるのか?君のせいで話し合わなければいけなくなったんだぞ。
一歩間違ったら今日埋葬していたのは、あの子だったかもしれないんだ。」
「ホープがケーブルについて言った事は…彼女がして欲しかった事でもあるのよ。
生きるために隠れ続けるのではなく、彼女の為に死のうとする仲間達と一緒にいる。」
「確かに言っている事は正論だ。
しかしカートの死も、ネイサンの死も…彼女が生きている事で意味がある。
その事はわかっていると思っていたんだが。
そして君はチームとして行動できるとも思っていた。」
「私はいつだってチームとして…」
「君の決断は我々全体の戦略に影響を与えるものであり、
何よりも君はそれを独断で行った。
ホープは君を信頼していた。
だから私は君に、あの子と一緒に残って助けになってほしいと頼んだ。
しかし今回の結果は、君を危険と判断せざるを得ない最悪の結果だったといえる。
ほとぼりが冷めるまで君を戦闘メンバーから除外する。」

second_coming-2-3.jpgウルヴァリンはナイトクローラーの部屋で一人、
大量のビールを飲んでいました。
そこにストームが入ってきます。
「一人にしといてくれ。」
「悪いけどそれは出来ないわ。
…何をしているの、ローガン。」
「ここで酔っ払ってんのさ。
誰かがこの部屋から勝手にものを
持って行かないか心配でね。
ガキどもが記念品のつもりで
勝手に持ってこうとするから、
思わず殺しかけちまったよ。
あいつらローソクなんか
置いてきやがって。
ここは聖堂かっつーの。
もう一回言うけどよ、
あいつだけだったんだ。
俺を動物扱いしなかったのは。
でもあいつは死んだ…
本当の俺が何をやってたか
知りながら死んでいきやがった…」
「彼が間違ってたと?」
「いいや…」
「X-FORCEについてスコットと話したわ。
彼があなたに指示を出し、彼がその全権を持っていた。
笑ってやったわ。よくそんな命令を出せたものねと。」
そう言うとストームは、机の上にあった写真立てを手に取りました。
そこには笑顔のサイクとジーン、ストームとウルヴァリン、
そしてナイトクローラーが写っていました。
「私も歳を取ったものね、ローガン。
泣く度に、もう涙なんて枯れ果てたと思うのに…彼の事でまた涙が流れたわ。
この写真…持っていくわよ。
私も殺したいならどうぞ。後からでもいいわ。」
「オロロ…」
「敵を見つけ出して私達の前に出る前に殺す。
それがあなた達X-FORCEのやってきた事よね。
それって私達の敵がやってきた事と何か違うの?
答えて、ローガン。」
「お前の言う事ぁ間違っちゃいないさ。
でもお前は現場を見たことが無い。
お前の知ってる世界で俺達を裁きたいか?
ならやれよ。
でもな、X-FORCEはそういった世界の外側で必死に守ってきたんだ。
俺達が出来るいかなる手段を使ってでも、俺達が生き残るために戦ってきた。
それで非難されるって言うんなら、俺は甘んじてそれを受けるぜ。」
「X-MENは人を殺さない。私達が常に言ってきたことじゃない。
でもあなたとスコットがその境界を越えてしまった。
レーンやジェイムスやローラも巻き添えにして。」
「俺だって本当はしたくはなかった。サマーズにすら関わって欲しくなかった。
あいつが人を殺そうなんて自分から考えると思うか?あいつじゃねぇ。俺だよ。
もしまたX-FORCEに任務が来たら、俺は今まで以上に殺すぜ。
あの時もっと殺しておいたら、カートも死なずに済んだかもしれなかったんだ…」
「そんな話、聞きたくなかった。
…もうあなたとこうやって一緒に飲むのも今日で最後ね。」

そして数刻後。
「出ていきな。」
サンフランシスコの街中で、ウルヴァリンがX-23にそう告げました。
「…それって何かの罰ってこと?」
「何?そういった意味じゃねぇよ。」
「じゃあ何でよ?」
「もう終わったんだ。
終わってなくてもお前をこれ以上あんな任務につけさせられん。」
「でもサイクロップスは私に…」
「いや。これ以上、任務に就く必要はねぇ。聞いてなかったのか?
ローラ…もうお前をX-FORCEに入れたくねぇんだ。
サイクロップスも俺も、お前を使ってきた。
でもな、俺達がお前にさせてきた事はウェポンXや、
お前を作ったクソ野郎共と何ら変わらなかった。
誰かに言われるではなく、自分の意思で動くんだ。
自分自身にこう聞け。"今何がしたい"とな。」
「何を言ってるのかさっぱりだわ。」
「お前は何がしたい、ローラ?」
「私は…何をすべきか教えて欲しいわ。」
「駄目だ。何がしたい?」
「私は別に…」
「お前は何がしたい!?ローラ。」
「何も!!何がしたいのかなんて知らないわ!!!」
「じゃあ、そこからだ。指示が欲しいか?ミッションが欲しいか?
たまにゃ自分で考えろ。」

そしてウルヴァリンはX-23を見送ると、そのままアルカトラス島に向かいました。
そこではサイクが待っていました。
「古参メンバーの皆と個々に話したよ。
ストーム、コロッサス、アイスマン…そしてプロフェッサーX。
彼は私の思考を読んで、私が自分のやった事を後悔していないとわかったみたいだ。
まるで知らない人を見るかのような目で私を見ていたよ。
ストームは…不思議な反応だった。
彼女は笑ったんだ。彼女は笑ってこう言った。
ジーンがX-FORCEを見たら何て思うかって。
そしてハンクは…もう戻ってこないそうだ。」
「そんな事はどうだっていい。それよりアヴェンジャーズにばれたらどうする気だ?」
「わからない。とりあえず対処はしておく。
しかし将来何が起ころうが、今は取り合えず新しい時代が幕を開けたんだ。
そしてX-FORCEはその時代にはそぐわない。」
「おいおい、俺は何か重要な会議に出てなかったのか?
一週間前よりもさらに生存者が少ないんだぜ。おまけにお前の大事な救世主さんは…」
「いや、彼女にその業を背負わす気は無い。世界は変わったんだ。
オズボーンは失脚し、アヴェンジャーズが戻ってきた。
その中でX-MENも…我々も何かのためにもう一度立ち上がらねば。
ミュータントは生き残る、ローガン。
我々はバスチオンの脅威を耐え切ったんだ。」
「…俺達全員じゃない。」
「もしキャプテンアメリカやアイアンマン、そしてソーが私を逮捕しに来たら、
おかしな話だが、私は笑顔で刑務所に入ると思う。
何故なら我々がやってきた事によって、我々が生き残れたんだからな。
X-MENはこれからも前に進み続ける。しかしその将来にX-FORCEはもう不要だ。」
「わかった。この話はもう終わりだ。
お前は少し寝ろや、サマーズ。疲れがたまってんだろ。」
「ありがとう。ローガン…恩に着るよ。」
「いいって事よ。
俺はもうちょいここでやる事があるから、ユートピアでまた会おうや。」
そしてサイクがいなくなった孤島で、ウルヴァリンはある部屋に向かいます。
「悪ぃ。思ったより時間がかかっちまった。話が変な方向に行っちまってな。」
そこにいたのは、サイロック、アークエンジェル、ファントメックス、そしてデッドプールの4人。
ウルヴァリンが彼らに言います。
「こいつが新生X-FORCEだ。ルールは一つ。誰にも知られるな。」

「スコット?」
ユートピアに戻って、修理中の司令室に閉じこもってるサイクに、アイスマンが声をかけました。
司令室の中には巨大なホログラムの地球儀が回っています。
「おーい、スコットさーん?」
「ああ、ボビーか。今ちょうどカートの妹に手紙を書いていたんだ。…弔電だよ。」
疲れた表情でサイクがそう言います。
「別に君の妹や彼女ってわけでも無いだろ。」
「…複雑なんだよ。」
「アヴェンジャーズの事も複雑な事情の一つかい?」
「それはおそらく大丈夫だ。」
「彼らは政府機関だから?」
「そうじゃない。」
「…悩んでる最中悪いんだけどさ、その…ハンクがさ。
彼がもう帰るって言うから。」

ビーストは格納庫で、自分が乗ってきた小型飛空挺の調整をしていました。
そこに巨大な機材を担いだネイモアが彼の前に歩いてきます。
「悪いね。手を貸そうか。」
「馬鹿を言うな。私が…君達に助けを借りる…時が来るとすれば…
…それは私が…この7つの海の王で…なくなった時だ…」
「そうか。」
息を切らしながらネイモアが機材を飛空挺に搬入します。
「何故君は立派な経歴があるのに我々と共にいてくれるのだ?
何故君がこのサマーズの島でミュータント共に活動してくれるのか心から疑問だよ。」
「何故そんな事を気にする。お前はすぐにこの島を出て行くというのに。」
「笑わさせてくれるね。」
「…私はここにいるべきではないと思っている。
自分の種族に背を向けて去る奴とは、一体どういう男なのだろうな、マッコイ。
少なくともそんな奴を笑わせる気など私には毛頭無い。」
「ネイモアよ。その男はただ純真な良心を持っているだけなのだよ…」

そしてビーストが去って行きました。
彼の飛空挺が飛び上がったところに、サイクとアイスマンがやって来ます。
「奴に会わなくて正解だったな。」
ネイモアが二人にそう言いました。
「サマーズ、私は全て知ってるぞ。しかし軍隊における…」
「ちょっと待ってよ。俺達っていまや軍隊扱いなの?」
アイスマンの質問を無視して、ネイモアがそのまま続けます。
「軍隊における司令官とは平和主義者である必要は無い。」
「そんな事は子供の頃から知っているとも、ネイモア。」
「そしてお前はもう大人だ、サマーズ。
新たな遊び場、そして新たな遊び仲間を持ったな。」
そこにバスケットボールを持ったエンジェルがやって来ました。
「おーい、みんな。子供達が島の端で送り火を始めたぞ。
あの火で悲しみも消し去りたいみたいだな。
で、俺達はゲームでもやろうかと思うんだけど、ネイモア、君も参加する?
っていうかバスケットボールって知ってる?」
そう言ってエンジェルがネイモアにボールを放り投げます。
「また今度な。」
サイクはそう言って、その場から去って行きました。
エンジェルがネイモアにルールの説明をします。
「君がやる事は、このボールをあのゴールに向けて…」
「ふんっ!」
ネイモアが力任せに投げたボールはゴールを突き破り、はるか彼方に消えていきました。
「あ~あ…」

「エマでも探すか。それにホープの事ももう少し調べないと…」
そう呟きながらサイクが歩いていると、
エマがダイアモンドフォームで子供達の作った送り火を眺めていました。
「何故ダイアモンドに?エマ。」
「…皆の感情から少しの間、解き放たれたかったから。
(エマはテレパスのため、意識しなくても人々の様々な感情が頭に流れ込んできます。
しかしダイアモンドフォームに変化している間は、
テレパス能力が無効化されるため、人の思考を読むことが出来ません。)
アチバン(アメリカの抗不安剤)なしでリフレッシュしたかったし…。」
送り火の前に立つホープを見ながらサイクがエマに聞きます。
「彼女の様子はどうだ?」
「父親が死んだ。他にもあの子を守るために人が死んだ。
おまけにあの子の周りは、あの子を見た瞬間に憎しみを持って殺しに来る者か、
水をワインに変えるような奇跡を望む者かのどちらかしかいない。最悪ね。」
「我々は正しかったんだろう、エマ?正しかったんだよな?」
「今はやめましょう。また明日考えればいいわ。」
「そうか、ありがとう。じゃあ、カートの妹に出す手紙も明日考えるよ。」
そう言ってサイクが去っていくのをエマは黙って見つめていました。
しかし何か違和感を感じ、後ろを振り返ります。
second_coming-2-4.jpg
彼女の前にいたのはフェニックスでした。
大きな不死鳥をかたどった炎を背にホープが笑いかけます。
「ねぇ、小さな魂が用意できたわ。」
しかしその声はホープのものではありません。
second_coming-2-5.jpg「スコット…スコット!!」
エマが走り出します。
「エマ先生?」
生徒達が呼ぶのも耳に入らず。
「スコット!どこに行ったの!?」
ユートピアの施設内を走るエマ。
「あれは…私が見たあれは……スコット!
私が見たあの炎は…スコット!!」
エマが息を切らしながら司令室に駆け込みます。
「エマ、静かにしてくれ。」
サイクはホログラム地球儀を見ていました。
そこにはいくつものシグナルが点滅しています。
[X遺伝子活性化 東京:日本 身元不明]
[X遺伝子活性化 キエフ:ウクライナ 身元不明]
[X遺伝子活性化 バンクーバー:カナダ 身元不明]
[X遺伝子活性化 オヨ:ナイジェリア 身元不明]
[X遺伝子活性化 メキシコシティ:メキシコ 身元不明]
次々と表示される新たなミュータント反応。
「私達は正しかったんだ…」
サイクが嬉しそうに笑いました。


ついに終わりました。
最初は2011年全てをかけてゆっくり翻訳して行こうと思っていたのですが、
訳していくとストーリーが実に面白く、最終的に2ヶ月で14話全て訳してしまいました。
実に4日に1話のペース。本サイト誕生以来、最速最高頻度の更新となりました。

さて、では今回の話の感想を。
今回は実に多くの話が凝縮されています。

まずマグニートーとホープの会話。
これは#6の会話の続きとなっています。マグニートーが
「戦争は終わったのか?飢えや病気、貧困、憎しみが地上から消えたのか?」
と言ったのに対し、
「まだこっちに来て3日ぐらいだから。あと数週間もしたら私がきっと何とかしてあげる。」
とホープが返したこの言葉を引用しているわけですね。
マグニートーが最後に言った
「人から危険と思われるのは、時には便利なこともあるからな。」
この言葉は長年ヴィランとして君臨しておきながら、
現在X-MENとして戦っているマグニートーだからこそ出来る慰めの言葉だと思います。

そして墓の前で泣き崩れるサイク。
この作品では常に冷静沈着、そして時には非情な命令を
出し続けてきたサイクの本当の心が見られるシーンです。
かつてまだケーブルが赤ん坊だった頃、サイクは本当に彼を大事に育ててたんですよね。
そしてテクノオーガニックウィルスの治療の為に未来に送る時も最後まで辛い表情をしていた。
心から愛していたのに死を選ばざるを得なかった、父と司令官としての天秤であまりにも
厳しい選択を迫られたサイクの哀しい姿です。

そしてローグ。
このシーンは少し驚きでした。#12でホープと一緒に前線に出てきたローグに対し、
「この子がここにいる事については後で話そう。」
と言っていましたが、まさか本当に詰問シーンがあるとは。
上記のマグニートーの件もそうですが、
今回の話は本シリーズの様々な伏線をかなりしっかりと消化しているため、
全話を詳細に把握していないと気づけないかもしれません。
ホープを連れ出したことにより、その責任を問われ一軍解雇を言い渡されたローグ。
ローグはこの後、言われたとおり前線から下がり、若手育成に回ることとなります。
しかしサイクの言い方にかなり棘がありますね。少し厳しすぎるのかも。

そして長々と続くウルヴァリンとストームの会話。ここは本当に重いですね。
必要悪と主張するウルヴァリンと、
理由がどうあれX-MENが殺人をしてはいけないと主張するストーム。
ストームの言葉の所々に痛烈な嫌味が散見されます。
そして最後の決別。仲良く写真で笑う昔の二人が、それを余計に悲しく彩ります。

そこから続くX-23とのやり取り。
今まで常に命令を受けて動いていたX-23に対しウルヴァリンが言った言葉。
それは自分で考えて行動するという事。
彼女はこの話を契機にX-MENを離れ、自分探しの旅に出ます。
そして新X-FORCE。
サイクにすら、その存在を知らせない本当の闇のX部隊。
冷酷さや正確破綻者など、かなり異常な顔ぶれとなっています。

ネイモアのシーンは、本シリーズで初めて息抜きの出来るシーンでした。
バスケットボールのルールを知らずにゴールを突き破るネイモアのシーンは滑稽です。
しかしこのシーンも深読みすれば、慣れない人間社会でミュータントと共に
過ごすネイモアの無知さを表現しているものであり、ビーストとの会話で言った、
本来は自分は共にいるべきではないという言葉が何を意味するのか、
今後につながるのかもしれません。

そして最後のホープのシーン。
彼女が発した声はまさにフェニックスのものであり、
一体これが何を意味するのかは現時点では全く分かりません。
また最後に突然表示された新たなミュータントの反応。
これも理由は現時点では不明となっています。
ここら辺は今後への伏線になっていくのでしょうね。

では、本シリーズ全体を通した感想に入りましょうか。
ストーリー :☆☆☆☆☆
敵の魅力  :☆☆☆☆
絵柄    :☆☆☆☆☆
読みやすさ :☆☆☆
サイク活躍度:☆☆☆☆☆
といった感じですかね。

まずストーリー。
様々なキャラクターが時間や場所を越えて活躍する
超一大スペクタクルの展開を破綻させず、また冗長さも見せずに描ききっています。
主な主人公はサイク、ケーブル、ホープ、ウルヴァリン。
この4人を主軸に十数名を超えるキャラクターが各見せ場で満遍なく活躍します。
群像劇としてのX-MENでは過去最高レベルといってもいい出来だと思います。
ただ本作品で語られなかった謎は幾つか残ります。
・サイクは何故頑なにホープこそが救世主だと信じていたのか。
・サイクは何故あそこまで犠牲を出してでもホープを守りたかったのか。
・バスチオンは何故あそこまでミュータントを憎んでいたのか。
・バスチオンはどうやって未来のマスターモールドと交信できたのか。
・何故テレポート能力者を殺害していたのにピクシーはそれを免れたのか。
・何故サイクは唯一生き残ったピクシーを有効活用しなかったのか。
・結局ホープとは何だったのか。救世主の本当の能力とは何だったのか。
・フェニックスフォースの意味は。
・ミュータントが増えだしたのはホープと関連があるのか。
これらの謎を今後解明出来るかどうかによって、将来の評価は変わるかもしれませんね。
ちなみに、今回の戦いを経てX-MENは完全にヒーローとして人々に認知され、
かつて紹介した自由勲章の話へとつながって行きます。

次に敵の魅力。
今回の敵は魅力的過ぎるでしょう。
既に何回も書いたように一人一人が一つの作品のメインをはれる
ボスクラスの敵が徒党を組んで襲い掛かってきます。
その中でも大ボスのバスチオンは、過去にもX-MENを壊滅寸前にまで追い込んだ強敵。
おまけにオーガニックテクノウィルスとトランスモードウィルスまで身に着けて
未来から何百万の殺人機を送り込んでくるとか、尋常じゃありません。
冷静に考えると、本当に生き残れただけで奇跡と呼べるぐらいの激戦でしたね。
これだけだと満点だったのですが、最後のクリードとラングの扱いが雑だったので減点1としました。

そして絵柄。
今回は4誌で同時進行だったため、各誌で違う方が絵を担当されましたが、
そのどれもが強い個性はなく、非常に読みやすい綺麗な絵柄であったと言えます。
特にX-FORCEを担当したチョイ氏の絵柄は特筆できるものであり、
一切の文字なしで数ページの間、絵のみで魅せるといった表現も何回かありました。
アメコミ初心者にもお薦めできる絵柄であったと言えます。

次は読みやすさ。
ここは今回の難点ですね。
話が多いため読むだけで疲れる上に、キャラクターも多く初心者は完全に蚊帳の外。
おまけに過去作品のオマージュはあるわ、科学的な専門用語はあるわ、
正直訳してて、ここはどう訳せばいいんだと悩んだ箇所も幾つかありました。
絵柄の評価と矛盾しますが、X-MENを初めて読む方に薦められるかと言ったら
NOと言わざるを得ない気がします。中級者向けかな。
でも絵だけで読むなら構わないので、初心者の方にも読んで欲しい傑作ではあるのですが。

最後に恒例のサイク活躍度。
今回は文句なしの100点満点でしょう。
一見、かつてのサイクと比べて出番は減ったように見えます。
得意のオプティックブラストもあまり撃たず、倒した敵と言えば2軍のピアースぐらい。
しかしこれは今のサイクをどう見るかで、全く評価が変わります。
かつてのサイクはリーダーでした。分かりやすく言えば戦闘隊長です。
ですから自ら最前線に出て、指示を出しながら自分も戦うと言うスタイルでした。
よって大ボスは大概彼がブラストでとどめを刺していました。
しかし今はコマンダーです。要するに司令官。それも総司令官です。
司令官の仕事とは何か。それは指令を出すことです。
決して前には出ず、自分だけは生き残って最後まで指示を出し続けなければならない。
前線で戦う兵士がたとえ一人だけになっても、その兵士に指示を与えなければならないのです。
そういった意味では、今回のサイクは常に司令室で冷静に的確な指示を出し続け、
最低限の犠牲でミュータントを守りきりました。司令官として最高の仕事をやり遂げたのです。
むしろサイクが最初から自ら最前線に出てブラストを撃ちまくってたら大問題です。
もし彼がやられたら指揮系統が麻痺して、全員が一気に死に追いやられるのですから。
その考えで行くと、常にサイクが自ら前線で戦うASTONISHING X-MEN誌は駄目な展開だと思います。
サイクが平気で宇宙とかに行って死に掛けてましたが、残ったミュータントは誰が指導するのかと。

今回は作品が長かったため、感想も少し真面目で長いものになってしまいました。
さすがに疲れたので、今後はまたいつもの適当レビューに戻ります。

最後に。
読んで頂いた方、そしてコメントして頂いた方、ありがとうございました。
特にコメントはやる気の元になったのでありがたかったです。それでは。
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この記事に対するコメント
■SECOND COMINGも終わりですね・・・寂しいです。

途中からハードカバーも購入して、更新を毎回楽しみにしてました。

小プロ版からアメコミに入った私には、現在のシビアなX-MENには戸惑いますが(汗)

●X-FORCE・・・誰にも知られるなって、直ぐにバレますよね(笑)

■お疲れ様でした&ありがとうございました。

今後も更新楽しみにしてます。
【2011/04/25 00:18】 URL | アメコミファン #uaIRrcRw [編集]
 
セカンドカミングでテレポーターが集中攻撃された時思ったんですが、
確かこの少し前までクロークとダガーいたんですよね。
彼らがもう少し残ってたら違ったんですかね、
クロークのテレポートはかなり強力ですし・・・

あとバスチオンがミュータントを憎んでるのは、
マスターモールドの生まれ変わりだから心の底から不倶戴天の敵と
刷り込まれていたんでしょう多分
未来のマスターモールドと交信出来たのも、MARVELによくある
心の底で繋がって云々の類では
【2011/04/25 00:27】 URL |   #- [編集]
 
お疲れ様でした!
ここはこういうニュアンスだったのか…と自分の翻訳ミスの答え合わせも
できて、大変感謝しております。

敵組織の豪華メンバーも、話の尺的に出番は軽くせざるを得ない
部分があるのでしょうけれども…
そんな中で、因縁の対決をやってくれたホッジはやっぱり素敵!
相変わらずキモイし(笑

ネイモアのギャグシーン、いいですよね~
背景でちまちまと笑いを取ってるとか、地味に日本の漫画
のギャグを意識してるのかなーとか思ったり。
ふと、X-MENでバスケ今までどれくらいやってるのかな、とかも
気になってきたりして。
小プロ時代も合間のギャグ担当がバスケだったのが印象的で…

アストニッシュ誌でサイクが前に出るのはまあ、大人の都合的な部分で
仕方ないのではないでしょうか。
【2011/04/25 06:34】 URL | にじあめ #SFo5/nok [編集]
 
お疲れ様でした。怒濤の更新、楽しませていただきました。
好きなキャラクター達が戦死しちゃって萎えましたが、
話自体は本当によくできてますよね。
【2011/04/25 06:44】 URL | 団長あまね #v5.i7xGY [編集]
作品紹介、翻訳、ありがとうございました。
皆の胸中を思うと心にぐっとくるものがありました。
お疲れ様でした。
【2011/04/25 06:53】 URL | にあ #- [編集]
 
おつかれさまでした!
DigitalComicsと併せて読んでいました。
が、そちらには#13・#14がなかったので大変すっきりしました。

Riseさんの紹介が始まってからTPBの発売がきまりましたね!
夏には本を手にとってもう一度読んでみようと思いました。

丁度良い区切りなのでこれから原書に興味を持つ人も増えてくると良いですね!
大変楽しませていただきました。ありがとうございます!!
【2011/04/25 12:59】 URL | 寿屋 #- [編集]
>アメコミファン様
でも意外と新X-FORCEはばれてないようで、
この前もユートピアに入ってきた敵をサイクに気づかれずに殺してましたね。

>名無し様
クロークは大量に運べるからナイトクローラーなんかよりはるかに便利ですよね。
惜しい人材を手放したものです。

>にじあめ様
むしろ私の方が間違ってる可能性も大です。意訳も多いので。
X-MENって時々野球はやってますけど、バスケは滅多に見ないイメージです。
でもコートがわざわざあるのだから、暇な時間にやってるんでしょうね。
ユートピアの生徒達が遊んでるシーンもどこかで見た記憶があるし。

>団長あまね
死んでも3年後には何事もなかったかのように生きてますから大丈夫です。
でもナイトクローラーはあれだけ盛大に葬られると出づらいだろうな…

>にあ様
ありがとうございます。
気に入ったから、これからもX-MENを読み続けようなんて気分になっていただけたら幸いです。
私自身はここ数ヶ月の作品を、あまりしっかり読んでないのですが…

>寿屋様
#13・#14がないのはつらいですね。
クライマックスだけ無いなんてまさに生殺し。
いい商売するなぁ。
6月にTPBが出たときに、またここに来て下さったらありがたいです。

皆様、これからもよろしくお願いいたします。
【2011/04/25 21:13】 URL | rise #r1y2oiqA [編集]
しかし『フェニックス ウォーソングス』で「ジーン・グレイは絶対許さない」宣言していたエマさんでしたが、まさか憎んでいた対象(まあジーンじゃなくてフェニックスですが)が救世主となって降臨するなんて皮肉過ぎる(苦笑)

…昔ここにあった『フェニックス ウォーソングス』レビュー復活させません?
【2011/04/25 22:49】 URL | オレンジフード #5tpBcxeQ [編集]
 
デップさんはそのうち、「ヘーイサイク!この前のターゲットは超楽勝だったぜー!」とか言いそうで怖いですな

あとクロダガがいなくなったのって、サイクが冷遇したのが原因でしたっけ?
自分をミュータントだと思い込んだミューテイトにはなぜ厳しいんだろうサイク・・・
【2011/04/26 00:09】 URL |   #- [編集]
 
>オレンジフード様
今回の話ではエマはあくまでのサイクの補佐で、目立って活躍はしませんでしたね。
フェニックス ウォーソングスのレビューはローカルにまだ残ってるんですが、
何もかもサルベージしてると収拾がつかなくなるので、当分復活はないと思います。
すいません。

>名無し様
デッドプールもそうですけど、普段のエンジェルも口が軽いですからね。
っていうかデッドプールって普段もユートピアで生活してるんでしょうか。
サイクはもう完全に考え方が昔のマグニート化してるので、選民思想があるのかもしれません。
真のミュータント以外は本当の仲間じゃないみたいな。
【2011/04/26 21:34】 URL | rise #r1y2oiqA [編集]

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